韓国のゴミゼロ運動とinnisfree空き瓶空間店
環境に優しくトレンドスターにもなっちゃおう!
こんにちは
韓国人が毎日お伝えする
最新韓国旅行情報Creatripです!
普段、環境のために実践していることはありますか ?
最近韓国では、環境への関心が非常に高まっていて環境にやさしい製品を使用することが新しいトレンドとして、その位置を確立してきました!
国内の多くの企業も、このようなトレンドを素早く吸収し、様々なZero Waste(ゼロウェイスト:ゴミゼロを目標とする)キャンペーンを展開しています
今回は、新しい「トレンド」として位置を確立した韓国のZero Wasteトレンドについてと様々なブランドもご紹介したいと思います
韓国人の環境への関心が急激に高まったのは、コロナ流行以降だと言えます。
コロナ以降、多くの人が家の中から出ようとしなくなり、ショッピングは宅配サービスに、食事はペダル(デリバリー)サービスに依存し始めました。
今までも韓国ではデリバリーサービスを多く利用することで有名でしたが、コロナの流行以降もっともっと盛んに活用されるようになりました
統計庁によると、2019年には約9兆ウォンだった食事のデリバリーサービスの取引額が2020年には17兆億ウォンに増えたそうです!
すごい上昇ですよね
宅配サービスも2019年には約27億ボックスから2020年には約33億ボックスまで物量が増加したことを確認することができます。
このように宅配とデリバリーサービスの取引量が多くなると、一番最初に感じるようになることは何でしょう?
莫大な量のゴミが本当にたくさん出てくるということです。
例えば、今週の食材を宅配便で頼むとテープでグルグル巻きにされている大きな箱一つと、食材をそれぞれ包んだビニール、保冷剤までゴミが本当に山のように出てきます
出典: mbc 뉴스 데스크
2020年の1年間、韓国人の間でデリバリーや宅配便を利用するたびに非常に多くのゴミが出るとは思わなかったと言う反応がとても多かったです。
韓国人たちは幼い頃から分別を熱心にすることが習慣化されており、それに誇りを感じる方なのでこんなにゴミがたくさん出てくるということ自体にストレスを感じ始めました。
この頃から、多くの韓国人が商品の容器や包装に気を使い始めました。
どうせ使用するサービスと利用するものならもう少し環境に優しいことを選択する人が増えたのです
韓国の様々な企業も商品の容器や包装における変化を追求するようになりました。
簡単にいくつかをご紹介します
1. オンラインショッピング
モールの保冷カバン
韓国では、直接買い物に行くことよりも新鮮製品をオンラインで注文することが本当に多くなりました。
これによって発生するゴミが本当にものすごい量になります
出典: kbs news
食材配送において、最も重要なのが鮮度なので、多くのオンラインショッピングモールがアイスパック(保冷剤)を使用します。
アイスパックの中に入っているアイスジェルは、プラスチック成分が入っているので、環境汚染の原因になります
さらに、アイスパックの包装紙もほとんどの場合ビニールで作られているので、環境に良くない影響を及ぼしてきました。
出典: 쿠팡
韓国大手配送会社であるクーパンとeマートは、それぞれ「フレッシュバック」と「アルビバック」という名前の保冷カバンを作って環境にやさしいサービスを提供し始めました。
この保冷カバンはそれ自体で温度が維持されるため、別途にアイスパックを多く利用しなくても良く、環境保護に役立ちます。
しかもこの保冷カバンは、段ボールみたいに1回使ったら捨てるものではないので継続して再利用が可能 長期的に見たときのゴミの量を確実に減らすことが出来ます
出典: 이마트
クーパンの場合には、注文をする時に「ロケットフレッシュエコ」を選択すると、フレッシュバックに商品を詰めて送ってくれます。
eマートは、最初の注文の際にアルビバックを提供しています。
そして注文をするとき、ドアの前にカバンを置いておくとクーパンとeマート側で再び回収してくれるシステムになっているので、気軽に継続して使用できます
この2つサービスは無料で提供されています。消費者の立場からすると利用しない理由はないでしょう!
2. エコラベル &ラベルフリー
韓国の飲料業界にも環境に配慮する動きが始まりました
私たちが知っているプラスチック製のドリンクボトルはすべてビニールラベルが貼付されている形で、ドリンクボトルを捨てる前にラベルをはずした後、ボトルはプラスチックに、ラベルと分離して捨てなくてはなりません。
しかし、この過程が面倒なため、多くの人々が分離しての排出を守っていませんでした
さらに、ラベルを付けるために使用した接着剤はうまく剥がれない場合も多く、分離排出をしてもペットボトルだけをリサイクルするのが容易ではありませんでした。
韓国の飲料業界では、大きく2つの方法でこの問題を解決しようと努力しています。
その内の最初の1つがまさにエコラベルです。
エコラベルは、接着剤を使用せずにそのままの状態でボトル周辺にラベルが巻かれている物になります。
点線状のミシン目や非粘着エコタブを作成し、ラベルを簡単に剥ぐことが出来るようにした環境にやさしい技術です
出典: 슈가버블
点線に沿って剥がすだけなので簡単にラベルをとることができ、接着剤が使用されていないので、ペットボトルがリサイクルされる確率も高くなります。
出典: 롯데칠성음료
以前韓国の代表的な炭酸飲料であるチルソンサイダーがBTSをモデルに掲げ、70年ぶりに新しい味を発売したのですが、このペットボトルにもエコラベルが導入されていました!
出典: 롯데쇼핑
最近の韓国の飲料業界で最も大きな変化は、先ほどお伝えしたものより進化した「ラベルフリー」です。
ラベルの代わりにプラスチック製のボトル自体にロゴを刻んでビニールラベルがないドリンクボトルを作ったのです。
出典: 코카콜라
これらのラベルフリーの飲料製品には、2つの利点があります。
1つ目にラベルがないので、ビニール廃棄物発生量が減る効果があります。
実際にロッテ七星飲料で作られた韓国初の無ラベルボトルウォーターの「アイシス エコ」によると年間ビニール廃棄物の発生量が総6.8トンも減ったと言います
出典: 농심
2つ目に、プラスチックの分別がとても便利なことが挙げられます。
従来のラベルを外して捨てなければならなかったものが、ラベルフリー製品は、その必要がありません!
そのため、ペットボトルがリサイクルされる確率が急激に増加します
事実、企業の立場では、自分たちをアピールすることができる手段である色とりどりのラベルを放棄することは容易な決定ではありませんでした。
販売量が落ちる可能性があるからです
しかし、環境に対する認識が高まった状況で、ラベルフリーの飲み物を発売したこと自体だけでもかなり大規模なマーケティングになりました。
多くの韓国の消費者がこれらのラベルフリーの飲み物を良く思い、今後もっと多くの他の飲料もラベルフリーを選択したら良いと思うと言う意見が多かったんだとか!
3. Zero Wasteカフェ
カフェ内での不必要なゴミ排出を減らすためのZero Wasteカフェもたくさん登場しています
本当に多くの韓国人が日常の中でテイクアウトしたドリンクを飲むのですが、これにより使い捨てのプラスチック製のカップとストローゴミが本当に多く発生しています
出典: 스타벅스
一番最初に話題になったのが紙ストローです。
韓国で紙ストローを導入し始めたのは、スターバックスコーヒー
2018年11月から紙ストローが使用され始めたのですが、当時スターバックスが進出した世界の78カ国のうち、全国の店頭に紙ストローを導入した国は韓国が初めてでした。
最初は飲料の味を損なってしまう、ストローが濡れてふにゃふにゃになるという理由で嫌う人もいました。
出典: BIZ WATCH
しかし技術が発展し、さらに耐久性の紙のストローが発売されてから紙ストローがますます広がっていきました。
2022年からは韓国全国のカフェやファーストフード店でプラスチックストローの使用が禁止されるんだそうです!
もともとスターバックスコリアで1年間使用されるプラスチック製のストローは、約1億8千万個
これは、地球一周の長さのゴミを作ることができる量です。
紙ストローの導入で膨大な量のプラスチックごみを減らすことができました
出典: 스타벅스
ここからさらに進化した、ストローを使用しなくても良いカップも登場しました。
スターバックスで一番最初に導入したカップは、口に当たる部分が突出していて、ストローなしで手軽に飲むことができます。
紙ストローがプラスチックストローよりも遥かに環境には良いですが、紙ストローもゴミを発生させることには変わりないので、このようにストローをまったく使用しない方法のカップがもっとエコだと言えるでしょう
出典: 던킨도너츠
ダンキンドーナツやKFCなどの多様な企業もNOプラスチックストローキャンペーンに参加してストローなしで使用できるカップを導入しました。
ダンキンドーナツのカップは、ダンキンドーナツの「D」と「タンブラー」が会って「ドンブラー」と言う可愛い名前なんだそうです!
このようにストローの使用を減らすための努力だけでなく、使い捨てカップの使用を減らすための努力も続けられています
出典: 유튜브 스브스 뉴스
多くのカフェがタンブラーを持って行けば割引をしてくれるというものを実施していますが、タンブラーを持ち歩くこと自体が少し面倒なことであるため、大幅にゴミを減らすことはできませんでした...。
なので最初から使い捨てカップを使用していないカフェが登場し始めました。
個人の努力に依存するよりも、最初からシステムを変えてしまったのです
出典: 유튜브 스브스뉴스
最近では、韓国のKTという大企業でZero Wasteチャレンジを開始しました。
社内のカフェから始めたこのチャレンジは、テイクアウトをする際にも、使い捨てカップではなく「数回使い捨てカップ」を提供し、その後返却をするようにする方式を導入しました。
出典: KT
どうせ毎日消費するコーヒーを飲むと同時に環境を保護することができるため大きな反響を受け、後にZero Wasteピクニックセットまで発売しました
このZero Wasteピクニックセットは、一定期間使用した後に容器を返却すると、完全にリサイクルされてから他の製品に誕生するそうです!
4. 空き瓶の回収
皆さんは化粧品を使い切った後、空になった容器をどのように処理しますか?
多くの人がプラスチックで分離排出をしたりしますよね。
しかし、化粧品容器は、複合材料で構成されていて化粧品の溶液も付着しているので、洗浄が難しく分離排出をしても、リサイクルされていない場合がほとんどなんだそうです
出典: 보그 코리아
なので多くの化粧品ブランドが空き容器を持って行くとポイントをくれたり、新製品をプレゼントしてくれたりする空き容器回収キャンペーンを行っています。
特に韓国の化粧品ブランドであるinnisfree(イニスフリー)は、2003年から空き容器回収キャンペーンを進めて来ました。
その収集してきた空き容器23万個をリサイクルして「空き瓶空間」というアップサイクリング売り場を作ったそうです
空き容器でどのようなお店を作ったのか気になりますよね?
ここで詳しくご紹介します
【innisfree空き瓶空間】
住所: 서울특별시 종로구 소격동 152
(ソウル鐘路区ソギョク洞152)
営業時間 : 11:00-20:00
innisfreeの空き瓶空間に向かうには、まず3号線安国(アングㇰ)駅1番出口を出ます。
1番出口を出て少し歩くと、上の写真のような道が見えてくるので、この時右の路地に入ります。
素敵な石垣道に沿ってずっと歩いていくと、左手に空き瓶空間店を見つけることができます!
空き瓶空間店がある北村は景福宮と昌徳宮の間に位置し、ソウルで最も有名な韓屋村が広がっている地域です。
空き瓶空間は、そこにあった築80年の韓屋二軒を繋げて、23万個のinnisfreeの空き容器を粉砕して作り仕上げ材で飾られたスペースになります。
空き瓶で作られた空間なので、キレイさなどは期待せず訪問したのですが、外観からとても素敵でびっくりしました
店頭に入って目を引いたのは、まさに空き容器シュレッダーでした。
空き容器を破砕して作られた空間であるため、ここを訪れると直接空き容器を粉砕する過程を見ることができます!
実際に粉砕してみたい方は、従業員の方にマシンを稼働してもらうよう伝えれば親切にお手伝いしてくださいます
機械が動き始めたら穴の中に空き容器を入れます。
そうすれば、機械が動いて空き容器が上に上がっていきます。
上に上がっていく空き容器が機械の中に入ると、このように下の穴を通って粉砕されて出てくることを確認することができます。
500mlほどあった瓶細かく砕ける姿が本当に不思議でした。
innisfreeの化粧品売り場の中で、このような体験をすることができるなんて、本当に新鮮でした!
破砕機の左側に位置する大きなモニターでは、どのような過程を経て空き瓶がこの建物を建てる仕上げ材に変化したのかを見ることができます。
一方では、各仕上げ材の色をどのように作ったのかも具体的に見ることが出来ます。
例えば、一番右の白い仕上げ材はWhite Tone Up LotionとCedar Wood My Body製品の空き瓶を組み合わせて作ったもの。
色を出す他の原料を添加せずに空き瓶だけを使用してこのように素敵な色味を作ることができるなんて、本当に驚きです
innisfreeが2003年から始めた空き容器回収キャンペーンを通し集めてきた空き容器の数はなんと3000万個を超え、1年で木を2000本植えるのと同じ効果を生み出したとされています
innisfreeが本気で環境を考えている企業というのが感じられますよね!
その回収され粉砕された空き容器たちは、この空間の隅々を満たしていきました。
店内の化粧品陳列台、床、壁等、スペースの70%が、空き瓶で作られたものだと言います!
そしてレジの右側には、やはり空き容器を回収する回収ボックスがありました。
空き瓶空間店で空き容器を返却すると、さらに環境保護を実践している気分に!ㅎㅎㅎ
私も次回innisfreeの化粧品を使い終わったらもう一度訪れようと思います
店の内部を飾る花瓶までも空き容器で作られています。
「再度、美しさを」というスローガンが本当によく似合う綺麗な花瓶でした
ただただゴミだと思っていた空き容器がこのような美しい空間を作ることができるなんて、本当に驚きだし感動しました
店頭の中心部には小さな庭園が造成されていました。
店を見て回った後にはここでしばらく座って休むことも出来ます。
この庭園のおかげで空間がさらに多彩になり、環境にやさしいお店と言う感じがさらに強調される効果があります
このように、innisfree空き瓶空間店は、環境保護の価値を伝える空間になっています。
実際に私たちが生活の中で熱心に環境保護を実践しても、どのように環境保護に貢献しているのかを体感するのは難しいですよね
そのため、このような空間を通して環境保護の価値を思い出させてくれるのは本当に意味のあることだと思います
今回はこのように韓国のゼロウエストトレンドについて知り、代表的な環境にやさしい企業innisfreeの空き瓶空間店を見てみました!
最近になって韓国では環境配慮を超え必環境時代(必環境/ Green Survival)が近づいていると実感しだしました。
環境を考慮することは、もはや選択の問題ではなく、必要になったと言う意味です
世界中でこのような考えが広がり、私たちが汚してしまった地球の環境が今よりも良くなっていくことを願います
ここまで、韓国のゴミゼロ運動とinnisfree空き瓶空間店についての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。