韓国文化|韓国の親が望む子どもの職業
韓国の親の32.2%は、自分の子どもに安定した良い職業に就いてもらいたいと願っています。他人の視線から受けるストレスを和らげるためだけに...。
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韓国の過度な教育熱を描いたドラマ「SKYキャッスル」が大きな話題を呼んだのは記憶に新しいです。
ドラマに登場する"名門家の親"の夢は子どもの医学部入学でした。
実際、ソウル大学医学部に入学さえすれば、子どもの将来は(一般的に)うなぎのぼりの勢いを見せます。
また経済的な安定を得るだけでなく、周りの人々から羨望の眼差しを集めます。
それでは、韓国の親達が期待する子どもの職業は何なのでしょうか?
結果を一緒に見ていきましょう!
1. 親が望む子どもの職業
◆韓国の有名な就職サイト"Job Korea"が子どもを育てる会社員を対象にアンケート調査を実施しました。
結果は下記の通りです。
子どもに望む職業 | 比率 |
第1位 公務員 | 24.8% |
第2位 医師/薬剤師 | 15.2% |
第3位 教師 | 7.6% |
第4位 弁護士/判事 | 5.7% |
第5位 料理人 | 4.8% |
第6位 大企業会社員 | 4.8% |
[統計資料出典]保護者が望む子どもの職業
2位は"医師"…1位は何?(韓国語)
1位は公務員、2位は医師と薬剤師、3位は教師、4位が弁護士または判事でした。
1位を記録した公務員のメリットは、経済が不安定な時代でも、仕事と生活のバランスを保つことができ、一定の年齢で定年を迎えることができるので、定年後も安定した年金を享受できることです。
公務員は実際、解雇や離職の心配をする必要もなく、医師、薬剤師、教師、弁護士、判事よりは難しくありません。
今、厳しい就職戦線において、若者が安定して働ける道は公務員だという信念が示唆されます。
「韓国の公務試験の準備をしている学生はノリャンジンに集まり、ノリャンジンは公務試験のための予備校がたくさん集まっています。
なので、ノリャンジンは韓国の若者の割合が最も高い地域でもあります。
しかし、この人々のうち、その年に公務員になれるのはわずか3%で、残りの97%は来年の試験のための準備を続けるか、あきらめて他の職業を探します。
公務員試験の準備期間は他の民間企業の採用試験の準備も難しく、受験の準備に万全を期すため、アルバイトをするのも難しいです。
公務員試験の準備に1年を費やした後、万が一落ちた場合、多くの学生は自分が1年間を無駄にしたような気がして挫折したりします。
公務員試験の競争率は非常に高く、同時にとても集中しなければならないため、公務員試験の準備をしている多くの学生は大きなプレッシャーにさらされストレスが溜まり、毎回授業を終えて外出する度に道で叫ぶ人達をたくさん見ます……」
一週間ごとに実施される予備校の席替えで良い席を獲得するため、明け方から列をつくって待っています。(出典:インサイト)
2. 韓国社会の悲劇
「2018年12月31日の大晦日、ソウル江北三星(カンブク サムスン)病院のイム精神科医が診断途中、患者によって殺害されました。
病院に運ばれた後、応急処置をしたが死亡しました……」
どこかで見たのか詳しくは忘れてしまいましたが、韓国のインターネット関連評論は「このような結果が非常に悲しく残念だ。親は子どもを大人に育て、医師として成功させたが、 そのような悲劇に見舞われてしまった。一緒に過ごすはずだった新年初日に。 」とコメントしました。
もう1つの事件は、2018年11月初旬に発生した火災です。
ソウル鍾路(チョンノ)区にある試験勉強をする受験生たちが使っていた「コシウォン(考試院)」という宿泊施設で火災により7人の命が奪われました。
「うちの息子は内気で、おとなしくて、嘘をついたことがない子供で、ソウルに来てから8年ほどになり、最初は仕事がなく、郵便局で働き、コシウォン生活を始めたが…
生活が苦しく、お金を節約しながら、お金を稼ぐために、本当に充実したのに…お金があれば、アパートや小さな部屋をどこでも借りることが出来たのに。息子が一生懸命働いて頑張っていたのに、産まれる家庭を間違えて亡くなってしまった…。」
上記は被害者の父親に記者がインタビューしたものだが、涙に言葉を詰まらせるその行間に、韓国社会の富裕層と貧困層のギャップが父親の息子に対する罪悪感となっていることが垣間見られた。
韓国のコシウォンは高い保証金が必要なく、毎日ラーメンやお昼お米を無料で提供されるために、お金を稼ぎたい多くの人々がソウルに来て2坪足らずの部屋に閉じこもり、将来の運命を考えています。
このニュースは、私自身を含む多くの韓国人に衝撃を与え、悲しむ父親のこの言葉に、同じ環境にいる韓国人家族たちがどれほど同情したでしょうか。
3. 親の選択か子どもの選択か
先ほど述べた、「親が子どもに望む職業ランキング」で2位の医師と薬剤師は成績の良い人だけが就くことのできる専門職です。
医師に関して言えば、医学部を卒業する過程は長く困難なものですが、卒業して医師の資格を取得できれば、経済状況を心配する必要はほとんどなく、周りの友人や家族からも尊敬されます。
しかし実際、このアンケートと同時に行われた「"親が子どもに望む職業”を選ぶ最も大きな理由」は「ストレスが最も少ない(32.2%)」ということでした。
多くの社会人が職場生活で経済的、社会的ストレスを受けているので、自分の子どもは同じストレスを受けないことを望みます。
また、「定年はなく、いつでも仕事ができる(14.6%)」「労働環境や福祉が良い(14.1%)」なども大きな理由でした。
しかし、これらの職業に就く人々は本当に自分の意志で、職業を選んだのでしょうか?
それとも社会、親、仲間のプレッシャーの下で選択せざるを得なかったのでしょうか?
もちろん、親の立場からすれば、子どもたちがストレスから解放されて、幸せな人生を送ることを願うのは当然のことです。
しかし「安定」と「財産力」を幸福の基準としている韓国社会の考えは、韓国社会を発展させることができるでしょうか?
一生懸命勉強している人がみんな公務員、医師、薬剤師、教師になったとしたら?
そうなれば発展が必要なその他の多くの分野が優秀な人材を得ることができず、長期的な革新も行われません。
それは韓国だけでなく、近隣のアジア諸国も同じです。
新世代が韓国に少しずつ変化を与えていきながら、子どもたちがどんな仕事をしていても子どもが本当に幸せなら、社会に少しでも貢献できれば、良いのだということをすべての親に実感してもらいたいです。
ここまで、韓国文化|韓国の親が望む子どもの職業についての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。