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韓国では北朝鮮の国旗を呼ぶ名前がほかにあることをご存じですか?
また、韓国では北朝鮮の国旗を振ると処罰を受けることもあるんです
今回は北朝鮮の国旗の歴史から意味、韓国で起こった最近の論争に至るまで、北朝鮮の国旗に関する事実をお伝えします!
人共旗の由来と歴史

北朝鮮国旗製作前、太極旗の前に立っている金日成 /
北朝鮮の国旗の前の金正恩(韓米首脳会談中)
韓国の独立が成立した1945年から1948年7月24日までは韓国と北朝鮮は国旗として太極旗(現在韓国の国旗)を使っていました。
しかし1948年、大韓民国政府が樹立され、北朝鮮は朝鮮民主主義人民共和国政府を樹立し、韓国と北朝鮮はそれぞれの政府を持つようになりました。
この政府を樹立する過程で、北朝鮮の首領だった金日成が国旗を新しく作ろうと当時のソビエト連邦の提案をし、ソビエト連邦に基づいて人共旗(現在韓国の国旗)が作られたのです。

1948年ソビエト軍政の下にあった北朝鮮で開かれたメーデーの写真
スターリンと金日成の肖像画が掛けられ、太極旗が掲げられている
この事実はソビエト連邦から北朝鮮に派遣され、国旗製作過程に通訳として参加していた在ロシア同胞のパク・イルの暴露により明らかになりました。

1948年、北朝鮮第5回人民会議で太極旗を下ろし、北朝鮮の新しい国旗を掲げる様子
同会議で太極旗の廃止が決定された
パク・イルによると、すでに北朝鮮は1947年から「北朝鮮の新しい民主主義とは合わない」という理由で太極旗を廃止し、北朝鮮だけの国旗を作る計画をしていたそうです。
北朝鮮国旗の正式な名前:
人共旗?紅藍五角星旗?

通常、韓国では北韓(북한:プッカン)、日本では北朝鮮と略しますが、北朝鮮の正式名称は「朝鮮民主主義人民共和国」です。
そのため、北朝鮮の国旗の名称も「人民共和国旗」から取って「人共旗」と呼ばれています。
変わったことに、この名称は韓国でのみ使用されているそうです。

北朝鮮では「藍紅色共和國旗(남홍색 공화국기)」または「紅藍五角星旗(홍람오각별기)」と呼ばれています。
これは赤と藍色が入っていて五つの頂点を持つ星がある旗という意味だそうです。
また、北朝鮮の住民たちはほとんど国旗を「共和国旗」と呼びます。
北朝鮮の住民は日常的に自国を呼ぶ時「共和国」と略して言うので、これは自然な現象のようです。
構造

北朝鮮の人共旗の上下には青があり、その間に広く赤い線、その中には白い丸と赤い星が描かれています。
その意味について見てみましょう。
1. 青い線
青色は主権と平和への希望を意味するそうです。
2. 赤い線
赤色は共産主義と革命そして主体思想を象徴します。
3. 白い丸と赤い星
白い丸は光明および陰陽思想を意味し、白丸の中にある赤い星は共産主義の建設を意味するそうです。
また、赤い星は北朝鮮軍の象徴としても知られています。

北朝鮮の国旗の色の比率は、6(青):2(白):17(赤)に分布されており、それぞれの色の情報は#024FA2(赤)、#ED1C27(青)、#FFFFFF(白)です。
韓国で北朝鮮の国旗である人共旗を使うと?

過去、韓国では北朝鮮国旗として正式には扱われていませんでした。
北朝鮮を「領土を無断占有する国家級不法団体」に分類したからです。
また、わずか数十年前には、出版物に人共旗が掲げられたという理由で国家保安法違反で起訴されました。
現在は韓国の国民の間ではそのような認識はかなり薄れていますが、人共旗を持っている事実や使用している様子が外部に露出すると、その行動の理由や目的をきちんと釈明しなければならないそうです。

2018平昌冬季五輪で人共旗を押収されるカナダ人男性
さらに、韓国人以外の外国人でも韓国で人共旗を使ったり、人共旗で北朝鮮を応援したりすると取り調べを受けて刑事処罰を受けることもあります。
実際に2018年韓国で開催された平昌冬季オリンピック競技場で、あるカナダ人男性が人共旗を振りながら応援していたところ、韓国人保安要員に押収された事例があります。
例外的に韓国で人共旗が使用される場合

では、韓国では北朝鮮の国旗は使用できないのでしょうか?実は使用できる例外もあります。
しかし例外的な場合でなければ韓国での使用はもちろん、持っているだけで処罰を受けることもあるそうです!
(同じく北朝鮮でも韓国の国旗である太極旗を所有した人は大きな処罰を受けるそうです。)
1. 60~80年代の反共教育

例外的に60~80年代には、共産主義教育のために北朝鮮の国旗の使用が許されました。
今はこのような反共教育は行われていませんが、今よりも北朝鮮の挑発が多く頻繁だった当時、北朝鮮が南に浸食してきた時、識別のために北朝鮮の国旗をあちこち露出させて調べようにしていたそうです。
そんな理由で60~80年代の人たちは人共旗のデザインについてよく知っているそうです。
正確に「北朝鮮の国旗」がどういうものなのか知らなくとも、これを見たら識別できるほどだそう。

上の写真は1970年代の人気アニメーション「トリ将軍(간첩잡는 똘이 장군)」です。
この作品では北朝鮮を赤い豚と描写し、子どもたちに北朝鮮に対する否定的な認識を植えつけようとしたと言います。
2. スポーツイベント

2018平昌五輪で北朝鮮応援団が北朝鮮選手を応援する姿
韓国でオリンピックやアジア競技大会のような世界的なスポーツイベントを開催する時は競技場にすべての参加国の国旗を掲げることが原則です。
そのため北朝鮮が該当の大会に参加すれば公式的に人共旗が掲揚されるのです。
実際に2002年釜山アジア競技大会、2003年大邱夏季ユニバーシアード、2014仁川アジア競技大会、2018平昌冬季オリンピック&パラリンピックなどの行事に北朝鮮も参加したため、北朝鮮国旗も他の参加国と一緒に掲揚されました。

また、2002年釜山アジア競技大会では北朝鮮の選手が金メダルを取り、授賞式で人共旗が上がり、北朝鮮の国歌が演奏されました。
これは韓国で北朝鮮の国歌が公式的に演奏された初めての事例だそうです!

しかし、2014年仁川アジア競技大会では議論になる事が起こりました。
当時、競技場だけでなく周辺道路にも参加国の国旗を掲げ、北朝鮮の人共旗も道に掲げられましたが、一部の北朝鮮を嫌う団体がこれに抗議するため人共旗を撤去しました。
このことがむしろ問題となり、いっそ街中のすべての国旗を撤去するというハプニングがありました。
このように大きなスポーツイベントでは特別許可を受けて一時的に北朝鮮国旗の使用が可能ですが、それ以外は国家保安法に違反して処罰を受けることもあるため、韓国では人共旗の使用は禁じられており、人共旗を個人所有にすることも禁止されています。
3. 北朝鮮関連メディア

以前は北朝鮮国旗を赤色の布で代替するなど、人共旗をメディアに流さない傾向が強くありました。

しかし現在は、韓国戦争や南北戦争の歴史などを題材にした映画、ドラマ、北朝鮮に関するニュースなどでは、国民の知る権利のためにこれを認めています。
政府の傘下機関である統一部や文化体育観光部、または放送通信委員会から特別許可を受けた後、一時的に使用することができます。
韓国で生じた人共旗に関する論議

先程お伝えしたように、北朝鮮に関する素材が韓国では敏感になっているため韓国のゲーム、映画、教育など多くの場面で人工旗使われることは少ないです。
しかし、そのせいで起こる議論もありました。 その中で最近あった事例をご紹介します。
1. 映画「鋼鉄の雨」議論

2017年大邱広域市の国立大邱科学館に人共旗と北朝鮮のポスター、各種宣伝物などが設置されました。
これを見た市民は、見慣れない光景に衝撃を受けて強く抗議し、保守団体のデモまで起こるところだったそうです。
しかしこれは当時、韓国と北朝鮮の情勢を描いた映画「鋼鉄の雨(강철비)」の撮影のために一時的に制作されたものだったのです。

これは実際に北朝鮮での撮影が不可能だったため設置されたものであり、該当シーンの撮影が終わった後、問題の設置物は全て撤去され一つのハプニングとして終わりました。
2. EBS(韓国教育放送局)子ども教具論争

2018年11月、韓国の教育放送局であるEBSの子会社であるEBSメディアが、教育目的で制作した子ども向け組立教具人物シリーズを発売しました。
ここには「韓半島の平和時代を切り開く指導者たち」という言葉とともに、各国のリーダーたちが含まれています。
トランプ、習近平、文在寅など各国の大統領が含まれるこのシリーズは、身近で可愛らしく美化された金正恩が登場し、議論をもたらしました。

さらに、平壌のランドマークと呼ばれる柳京ホテルの模型には、人共旗が掲げられています。
特別許可なしに使用が禁止された人共旗を使用することでより大きな抗議を受け、この事態によりEBSメディアの代表理事が辞任しました。
統一旗

このように韓国と北朝鮮はそれぞれ太極旗と人共旗を使用しています。
しかし現在、オリンピック開幕式の共同入場や南北単一チーム構成の際には統一旗(한반도기)を使用する姿をしばしば見かけます。
統一旗は統一韓国を象徴する旗で、公式的な国旗ではありませんが、分断された両国がともに行う共同入場や南北単一チームを構成する際に統一旗が使用されます。

統一旗は1989年に1990年北京アジア競技大会において単一チームを構成するための交渉を通じて単一旗の形で作られた結果物です。
1989年から1990年まで6回、南北の実務者間の接触と協議が持続的に行われました。
当時、韓国側は白地に緑の韓半島地図、そしてその下に「KOREA」表記を入れようと主張し、
北朝鮮側は白地に黄土色の韓半島地図に赤で「KORYO(高麗)」と表記した統一旗を主張しました。
交渉の末、単一チームの公式名前が「KOREA」に決まりましたが、統一旗は白地に空色の韓半島の地図、そして何の文字もない旗に決まりました。

2018平昌冬季五輪で太極旗、人共旗、韓半島旗を振る南北代表チーム
その後、日本の千葉で開かれた1991年世界卓球選手権からこの統一旗が使われ、スポーツの他にも南北共同行事で多く使用される象徴的な旗になりました。
統一旗が使われた最も代表的な行事は2000年シドニーオリンピックの共同入場、2000年、2007年行われた南北首脳会談、2018平昌冬季オリンピックなどがあります。
以上、北朝鮮の国旗が作られた由来から意味、構造、韓国で起きた関連ハプニングまで北朝鮮の国旗についてご紹介しました
ほかにも、韓国に関連する情報について気になることがありましたら、コメントで教えてください!
ここまで北朝鮮の国旗「人共旗」についての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、
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