ドラマの中だけじゃない、実際に多い行方不明に関するキャンペーン
韓国の行方不明児童への関心度の高さがよくわかります。
こんにちは
韓国人が毎日お伝えする
最新韓国旅行情報Creatripです!
韓国映画やドラマは、誰かが行方不明になったり本当は生きていた!本当は実の親子だった!という展開になることが多いですよね!
実際、韓国では行方不明や誘拐事件が多くあります...。
警察庁によると韓国の行方不明児童(18歳以下)届出数は、2016年1万9870件、2018年2万1980件、2020年1万9146件、2021年2万1379件。(発達障害・自閉症除く)
韓国の2.4倍人口が多い日本の20歳以下の行方不明者数は2019年で1万6825人なので、解決しているものが多いとしても、どれだけ多い数字かお分かりいただけると思います。
しかし!
韓国は警察以外にも、芸能界や企業、身近な場所でも「실종 아동 찾기 캠페인(失踪児童を探すキャンペーン)」に力を入れて取り組んでいます!
今回はそこに注目してお届けしたいと思います
※行方不明児童の情報の載った写真はすべてSNS等での拡散許可のあるものです。
犯人の手掛かりを伝える映画
韓国映画やドラマは誰かが誘拐されたり行方不明になることや、DNA鑑定に関するシーンってよくありますよね!
子どもが誘拐されることから始まる有名なミステリースリラードラマがこちら。
「신의 선물-14일・神様がくれた14日間」
娘を殺害され自殺を図る母。
気が付くと娘が殺される2週間前にタイムスリップしていて、娘の生きてる姿を見て、何としてでも娘を救おうと、2週間というタイムリミットの中、犯人を探しだす戦いを描いたドラマ。
手に汗を握る緊張感が最後まで続きますが、このドラマはあくまでもフィクションドラマ!
そして韓国には実際の事件に基づいたとても有名な映画があります!
1991年に実際に起きた誘拐事件をもとに作られた韓国の3大未解決事件の一つです。
最愛のひとり息子を誘拐された夫婦は、犯人から身代金1億ウォンを要求されます。
犯人の手掛かりは電話から聞こえてくる声のみ。
この事件は16年間10万人あまりの警察官を動員しましたが犯人は捕まらず、
2006年に時効を迎えました
何と60回にも及ぶ脅迫電話があったにも関わらず、犯人逮捕には至らなかったミステリー事件。
誘拐現場は有名な江南エリアでした。
-映画を通して犯人の手掛かりを伝え情報提供を求める-
夫婦や登場人物の設定は作られている部分がありますが、
犯人に関しては、顔を出さず、セリフや話し方を実際の脅迫電話の会話に基づいて再現しているそうです。
映画のラストに、
実際の犯人の肉声とモンタージュ画が流れ、当時とても話題になった映画です!
指紋などの事前登録制
18歳未満の児童や障がいを持つ子ども、認知症のお年寄りなど、行方不明を予防するために警察庁が行っている制度です!
指紋の事前登録は、警察署や交番でも可能ですが、
自宅でも簡単に「安全ドリーム」というアプリを通して登録ができます
指紋・保護者の電話番号・写真・顔の形・体型・体にある特徴(ほくろ、傷など)等を登録
実際に事件が発生した時に、登録された情報を活用し迅速に発見することを目的としています!
指紋登録をしていた場合には、平均1時間前後で見つかるのに対し、指紋の登録をしていない場合は、平均94時間程度かかると統計が出されているそうです
乳幼児のおしり拭きに、指紋の事前登録のアプリに繋がるコードが表示されているものもあります
YouTubeに
キャンペーン写真を・・・IU
IUの公式YouTubeチャンネルの登録者数は773万人を超えており絶大な人気がある女性アーティストですよね
そのIUが2020年6月、自身のYouTubeチャンネルの「コンサートを終えた後の本音は?」という映像の中に
行方不明の子どもの写真と個人情報を載せてアップしたのですが、
その映像がたった数日で再生回数90万回を超えたのです
早くも数十万人が行方不明の子どもの情報に接する機会ができたということですよね
所属事務所の関係者によると、「キャンペーンのイメージは任意的なものではなく、警察側を介し行方不明児童の保護者の同意及び全ての必要な許可を得て伝えられた内容」とのことです。
芸能界でもこうして関心を寄せ社会貢献活動に取り組んでいる人がいるということは本当に素晴らしいですよね
身近なコンビニ
街のいたる所にある私たちの生活に身近なコンビニ。
韓国のコンビニも以前とは違ってどんどんオシャレに、そして利便性が高くなっていっています
そんなコンビニもキャンペーンに力を入れています!
セブンイレブン
セブンイレブンは今年8月から児童権利保障センターと共に行方不明の子どもを見つけるキャンペーンの一環として
行方不明の子どもの5人の写真や個人情報が印刷されたシールを作成
人気弁当5種類の容器にそのシールを貼り、行方不明者への関心を高める活動を行っています
Eマート24
Eマート24は警察庁と共に、2020年7月から全国4800余りの店舗のレジモニターと、756店舗に設置されたデジタルサイネージを利用し、
行方不明の子どもの写真と個人情報を公開しています!
レジモニターとデジタルサイネージは店舗内の滞在時間が最も長い場所とし、コンテンツを公開するのに効果的であろう!とのことからだそうです
こんなに身近な場所で公開されているとは、、、日本ではなかなか見られない光景かと思います!
HOPE TAPE(ホープテープ)
毎年5月25日は、世界失踪児童の日です。
警察庁が韓国大手広告代理店、第一企画と共に5月25日から1か月間「HOPE TAPE」キャンペーンを行いました
HOPE TAPEとは?
郵便局で宅配便を梱包する時に使用するテープに、長期行方不明の子どもの身体の特徴、場所、現在の姿(推定)などの情報を印刷したものです。
ソウル地域の郵便局に置いて人々が利用できるようにしました。
ホープテープに印刷されてあるアプリ「安全ドリーム」に接続されるQRコードを読み取れば子どもの詳細情報が得られます!
何とホープテープが貼られた宅配便の数は62万個と言われています!とても斬新なアイディアですよね。
奇跡は起こる
ホープテープをよく見ると子どもの写真と大人の写真が一緒に印刷されています。
これは3Dシステムを利用して行方不明の子どもの写真をもとに、現在の姿を再現したものです。
これにより38年前の1978年に京義水原市で行方不明になっていた当時12歳の子どもが2016年に見つかったという事があったのです!
希望のお菓子プロジェクト
お菓子メーカー、クラウン製菓は4年前の2016年から希望のお菓子プロジェクトを行っています
希望のお菓子プロジェクトとは?
お菓子のパッケージに予防や一緒に探そう!と呼びかけるロゴをプリントしたり、
パッケージの裏面に行方不明の子どもたちの写真と情報を入れ、お菓子が希望の光になるよう願う心で始めたプロジェクトです!
ジョリポンという有名な昔ながらの麦のポン菓子があります。韓国のスーパーなどで見かけたことありますか?
右下に「一緒に探してください。失踪児童を探すキャンペーン」と書かれています!
裏を見てみると右上には大きくプリントされた行方不明の子どもの個人情報。
名前、性別、生年月日、失踪場所、身体の特徴等の情報が書かれています。
プロジェクト開始の年に450万個ものジョリポンが全国で販売されました!
こちらも大人気のお菓子コンチョ。
右下に「一緒に学ぼう 失踪児童 予防キャンペーン」とプリントされています。
そして…
奇跡は起こる
1965年に失踪した当時8歳だった妹さんを探すため、自分の遺伝子情報と妹さんの個人情報を登録したAさん。
ジョリポンのお菓子のパッケージに妹さんの情報が印刷され販売されてから、何とその7か月後(2017年)に、
ジョリポンのお菓子の袋を目にした妹さんが自ら情報提供し 、2人は52年ぶりに無事に再会することができたそうです!
三大スローガン
韓国には誘拐や行方不明を防ぐ為の3大スローガンがあるので最後にご紹介したいと思います。
1.止まること
2.考えること
3.助けてください
この3大スローガンに基づく歌も警察庁で作られました。
멈추기 생각하기 도와주세요
止まること 考えること 助けてください
내이름 전화번호 부모님이름 꼭꼭 기억해요
私の名前 電話番号 両親の名前 ちゃんと覚えよう
この歌を習っていたおかげで、お母さんとはぐれてもその場で立ち止まって、
お母さんと無事に再会したという実例がたくさんあるそうです!
活動を続けること
それぞれが関心を持つことって本当に大事なんだと改めて感じさせられます!
いかがだったでしょうか?韓国はこういった社会問題に対する活動が意外にも、
身近な様々な場所で行われていることがわかりましたよね!韓国のなかなか見えない部分を今日はお伝えしました!
ここまで、ドラマの中だけじゃない、実際に多い行方不明に関するキャンペーンについての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。