読書の秋・韓国の絵本
韓国の絵本の世界へようこそ!
こんにちは
韓国人が毎日お伝えする
最新韓国旅行情報Creatripです!
気温も少し下がり、夏が終わりに近づいて来ていますね。いよいよ読書の秋がやってきます
皆さん、韓国の絵本を読んだことありますか?絵本は韓国語で「그림책」と言います
絵のタッチが優しく内容も素敵で、子供から大人まで楽しめる絵本がいっぱいあります。
韓国語を勉強中という方も絵本を使って勉強するのも、とても良い方法だと思います!
今回は、絵本の中身とその絵本を通して感じられることを一緒にご紹介します
①「ソリちゃんのチュソク」
②「だいじょうぶ」
③「シッケ」
④「とらとほしがき」
⑤「わたしたちはかぞくです」
この順番でご紹介していきます
①韓国伝統行事がよくわかる絵本
「ソリちゃんのチュソク」
「솔이의 추석 이야기」
旧暦の8月15日に行われる韓国伝統行事、チュソクについてよくわかる絵本です。
チュソクとは、家族や親せきが集まって先祖のお墓参りをしたり、
大きな月を見ながら秋の収穫に感謝したり翌年の豊作を祈る伝統行事です
2020年、今年のチュソクは10月1日です。もうすぐですね!
それでは物語をみてみましょう!
主人公のソリちゃんは、おばあちゃんと一緒にチュソクを過ごすため、朝早く出発し田舎に向かいます。
無事におばあちゃんの家に到着。
女性たちは先祖にお供えする料理の準備の為、前日から食材の買い出し、料理、お皿洗いと休む暇もなく動きます!
チュソク当日の차례(チャレ)の様子。先祖にお供え物をすることです。新米、汁物、鶏肉、お魚、果物、お酒などをお供えします。
その前で、큰절クンジョルという、最も丁寧なひざまずいたお辞儀をします。
料理担当は女性ですが、この場は男性陣のみで行います。
お供え物を分け合って食べた後、みんなでお墓参りに行きます。これを성묘ソンミョと言います。
そしてチュソクの夜、みんなで大きな明るいお月様 を見ながら願い事をします。
この風習を달맞이(ダルマジ)と言います
テーブルの上にたくさんのお餅が並べられていますね!(餃子ではありません )
これは송편・ソンピョンと言って、
うるち米の粉をこねて作った皮に、ゴマ、大豆、ナツメ、栗などを入れて、松の葉を敷いて蒸したお餅のことです
チュソクが無事に終わり田舎から帰ってきました
家に帰るまでが遠足、、、というように、あともうひと踏ん張り!ソリちゃん家族!
どうでしたか?チュソクの様子少し伝わりましたか?
韓国の伝統行事の絵本ですが、どこか昔の日本、田舎を感じて懐かしくなりますよね
韓国文化に興味がある方、今の時期におススメの一冊です
ソリちゃん家族、無事に帰宅。
お疲れ様、ソリちゃん
②韓国人が大好きな言葉
「だいじょうぶ」
「괜찮아」
「アリは小さい、蛇は足がない、ダチョウは飛べない
でもだいじょうぶ!わたしたちにはそれぞれできることがある」
女の子が表紙で文字が少なく絵がメインのとても読みやすい絵本です
タイトルの「だいじょうぶ」が絵本の中で何度も繰り返されて頭に残ります
괜찮아←ケンチャナ(大丈夫)は韓国人がよ~く使う言葉の一つです
本当に大丈夫?って場面でも、ケンチャナ!ケンチャナ!で済ましちゃう韓国
映画やドラマ、韓国滞在中に耳にしたり、実際に使ったことがあるよという方も多いのではないでしょうか?
では物語を見てみましょう!
アリは小さい
だいじょうぶ!ぼくは力持ち
わたしは高いところに届く。わたしは早く走れる。ぼくは上手に這っていける。
ぼくは怖くない。ぼくは力持ち。
じゃあ、君は??
さあ、動物たちから、じゃあ君は?と聞かれた主人公の女の子は、自分のことを何と答えたでしょうか?
私たちって自分の長所や強みを聞かれても、うーん、、、となかなかすぐに答えが出てきませんよね。
でも一人ひとりちゃんとあるんです!いいところ
大人になるにつれて、他人と比較して自分のだめな部分に意識がいってしまいがちですが、
できないことに目を向けるのではなく、
そのまんまでいいんだよ!ということをこの本は教えてくれます
絵本の文章を、一緒に声に出して読む練習をする保育園もあるんですよ~
子供の自尊心を高められて、大人の私たちもケンチャナ~で励まされるとても良い絵本です
あなたの強みは何ですか?
だいじょうぶ!
わたしは世界で一番大きく笑うことができる!
③韓国伝統飲料の気持ちになる絵本
「シッケ」
「식혜」
「空から透明の星が降ってきた!一体この渦は何なんだ??わー目が回る!」
この絵本はお米が入った韓国伝統飲料の物語です。
夏によく飲まれるシッケ。チムチルバンではシッケ!というように夏の定番の飲み物です
シッケの中に入っている米粒たちの観点から見る世界とはどんなものなんだろう?
米粒たちが主人公のとっても面白い絵本です
絵本を見てみましょう!
水の中にいる米粒たち。
一体何をしているのかというと?おにごっこや息止め大会。
「私最近太ったんだよね、、 」「そんなことないよ、キレイだよ 」なんて会話をしている米粒たちも。
平穏な時間を過ごしていると突然、
ちゃっぽーん! 空から5つの透明の星が水面に向かって降ってきた!
米粒たちは興味津々でその星に近づいて触れてみる。感触を楽しむ米粒たち。冷たい!
と、その時また何かが起こる!ぐるぐる回りだした!
一体この渦は何なんだ?!わー目が回る!
おー!回ってる回ってるー!もっと回れー!この感じ!最高!サーフィンやボートに乗って楽しむ米粒たち。
ばっしゃーん!
いただきます トクトクトク。。。
どうでしたか?面白そうですよね 米粒の気持ちなんか想像したことないですよね。
自分以外の人や物の気持ちになって世界を見ることで、想像力が鍛えられる一冊です。
そして、この絵本は言葉の表現の幅を広げられる勉強になると思います
キラキラ・반짝반짝、ぐるぐる回る・빙글빙글 돌다 、どぶん(水の中に落ちる音)・ 풍덩
気持ち悪い・울렁거리다、ちゃぽん・퐁당
子供から大人まで愛され続けるシッケ。この絵本は夏にぴったりで読んだ後はシッケを飲みたくなること間違いなし
リズミカルで文字も少なめ(お喋りな米粒たちのセリフは多いですが)
韓国語勉強中の方も読みやすい一冊です。
④強いトラが逃げ回る面白さ!
「とらとほしがき」
「호랑이와 곶감」
「俺より怖いほしがきが背中に乗ってるー!逃げろー!」
動物の中で強いトラ。そのトラが怖がるものは、まさかのほしがき??
よく知られる昔話、とらとほしがき。
韓国の絵本によく登場する動物といえばトラ。そして干し柿は韓国人が大好きなおやつの一つでもあります。
とらは호랑이 干し柿は곶감と言います。
イラストが印象的ですよね。小さな子供たちからは親しみやすいとは言い難いのですが、、、内容が面白く大人気なんですよ
では、物語を見てみましょう!
山を下りてきた自分を一番強いと信じている空腹のトラ。
明かりがついた家を見つけ近づいていくと家の中から子供の泣き声が聞こえてきた。
泣き止ませようと必死なお母さんの声。
しっ!静かにしなさい!トラに食べられてしまうわよ!
なかなか泣き止まない子供。最終手段に出たお母さん。
もーほら!はい!ほしがき!
するとなんと!ぴたりと子供が泣き止んだ!泣く子も黙る干し柿?!
ほしがきとは??俺より強いのか??逃げなければ!とその時、トラの背中に何かが乗ってトラは大仰天!
ほしがきだー!逃げろー!
トラは遠い遠い山奥まで走って逃げて行ってしまいました
背中に乗ったほしがきとは一体なんだったのか?
なぜトラの背中に乗ったのか?
ほしがきを怖がるトラの姿を見た他の登場人物の反応は?
読み終えた後、クイズを出して内容を考えさせる良い本になっています
話の内容は簡単ではないのですが、本来なら動物の中で強いトラが、
大仰天して終始この表情で逃げ回る姿は、きっと想像力の高い子供たちにとってたまらない面白さ!
何度も読み返したくなるとても面白い絵本です。
⑤様々な家族の愛
「わたしたちは家族です」
「우리는 가족이에요」
私たちの周りで見られる様々な形態の家族。家族の姿はそれぞれ異なりますが、家族を愛する心は同じです。
さっそく物語を見てみましょう!
お父さんはいません。
お母さんと二人暮らしだけど、ぼくたちは家族です。
お母さんと私は韓国に住んでいて、お父さんはフィリピンに仕事に行きました。
私たちは家族です。
お父さんの名前はマイケル、お母さんはキム・ミンジュ、私の名前はキム・チョロン。
わたしたちは家族です。
お父さんは足が悪く、お母さんは耳がよく聞こえません。だから僕がたくさん手伝ってあげます。
ぼくたちは家族です。
文章は短いですが、様々な家族の在り方について描かれています。
離れて暮らしている家族、国際結婚、お父さんお母さんが体が不自由で子供が支えている家族、様々です。
色んな人がいるんだ、色んな形があるんだ、色んな考え方があるんだ、みんな違うんだ。
子供には自分の道を自由に選択し、自分とは違う相手を個人として見ることができる大人になってもらいたいですよね。
お父さんが、新しいお母さんと結婚します。僕たちは家族です。
小さな頃から異なる文化や価値観を持つ人々と触れ合う環境で過ごすことが大事ですね
いかがだったでしょうか?絵本は世界共通、子供から大人まで楽しめますよね。
先祖のお墓参りや豊作を祈る韓国の伝統行事のチュソク。私はこんなことができるからケンチャナ!
韓国伝統飲料、シッケの中の米粒たちが主人公の絵本など、これ面白そうだな!読んでみたいな!という絵本があったら嬉しいです
読書の秋・韓国の絵本に触れてみてはいかがでしょうか?
ここまで、読書の秋・韓国の絵本についての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。