韓国ドラマ《二十五、二十一》の歴史的背景
アジア通貨危機とは?韓国の国民的屈辱の日って?
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現在放送中のキム・テリとナム・ジュヒョクが主演を務める《二十五、二十一》が、非常に高い評価を得ています
背景は韓国がアジア通貨危機に見舞われ、破産を宣言した1997年、IMF(国際通貨基金)が韓国の財政を支配し市場に参入するようになりました。
今日はドラマ内で「明るい未来を夢見ることが難しい時代」と表現される歴史的背景を、ご紹介していきましょう...
《二十五,二十一》の歴史的背景
1997年アジア通貨危機
1997年7月、歴史を書き換える金融危機がタイを筆頭に始まろうとしていました。
機関投資家たちが当時不安定だったタイの経済市場を狙い、タイバーツを大量に借りて外国為替市場にバーツを投入させました。
自国の貨幣相場を米ドルと固定為替で連動させるペッグ制を導入していたタイは、タイバーツを大量に売りさばかれたことにより、バーツが暴落し金融混乱を引き起こしました
この通貨下落減少は東南アジアから北東アジア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、インドネシア、韓国へ渡り、後に日本にも影響を及ぼしました。
1ドルが₩1500、₩2000へ上がっていく報道
その中でもタイ、インドネシア、韓国が最も過酷な金融危機に見舞われ、1997年11月21日に韓国は破産を宣言します。
「国民的屈辱の日」
IMFに支援金を要求する新聞記事
IMFの資金支援の覚書を締結した1997年12月3日は、韓国人にとって国民的屈辱を味わった苦い記憶として残っています。
その後は他国のホットマネー(国際金融市場間を移動する不安定な短期資金)が韓国市場を安定させるために使われるようになりました。
韓国企業は外国人事業家への制限をゼロにし、株式の半分以上を外国人に所有されるか、外国資本を導入せず会社が倒産するかの二択しかありませんでした
韓国がIMFの協定に署名
通貨危機以前、1996年韓国はOECD(経済協力開発機構)加盟を果たし、アジアでの2番目の規模の経済成長を成し遂げ、1988年にはソウルオリンピックを成功に収めました。
国民の85%が自らを「中流階級」だと認識するまでの朝鮮戦争後の急速な復興を「漢江の奇跡」と呼びます
《二十五,二十一》
しかし1997年の冬は特に寒さが厳しい中、債務問題で多くの家族が苦しい思いをした様子がドラマ内でも描かれています
破産の前兆はあったのか?
韓国信用等級 変化
1996年の経済成長率はわずか7.9%で、1995年の9.6%を下回りました
韓国はOECDへの加入には成功したものの、不況の兆しが見えていたのです。
ドラマ内でも出てきた韓宝鉄鋼は、この金融危機により韓国で最初に破産した大企業で、この破産は韓国の財政や財閥同士の繋がりへの悪影響を指摘しましたが時すでに遅しでした...
韓宝
「漢江の奇跡」以降、韓国の大企業や財閥は瞬く間に成長し、その大きな企業が韓国経済の鍵を握るシステムが作られました。
大企業の傘下の子会社は資金が足りなくても、親会社から資金を回す悪循環が発生し、中小企業への融資も安易に行われ、資産が膨らんだのちに通貨危機に見舞われたため、急激なウォン安ドル高が進みました。
その結果数え切れないほどの企業が倒産し、多くの経営者や従業員が職を失いました
《国家が破産する日》
ドラマ《二十五、二十一》以外にも、映画《国家が破産する日》は迫り来る国家の破産を予測し、韓国銀行の通貨制作チームが危機の回避に奔走する実話に基づいたストーリーです。
金集め運動
破産を宣言したのち、韓国はIMFと550億ドルを借りる協定に署名しましたが、同時にIMFが韓国の経済システムに関与し、支配しはじめました。
ドラマ内ではキム・テリ演じるナ・ヒドの母が政府が発足した金集め運動(금 모으기 운동)に参加しました。
韓国の外債を返済するため、国民が自発的に所有する金を国に寄付する運動のことです
出典:중앙일보
《二十五,二十一》
なんとかこの状況を打破しようとする国民の努力のもと、わずか数ヶ月で220トンの金を集めました!
これはなんと22億米ドルに相当します
この運動をきっかけに、韓国は一気に債務返済へ走り出します。
出典:민중의소리
そして2001年8月23日、遂に韓国の金融危機が終わり、IMFが韓国から撤退したことを発表しました!
この歴史的にめでたい日は予想より2~3年早く訪れました
いかがでしたか?
歴史的背景を知った上でドラマを見ると、明るい未来を切り開こうとするキャラクターたちの前向きな姿勢が、さらに眩しく感じること間違いありませんね
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