韓国の大型スーパーに定休日がある理由
毎月2日の定休日がなくなる?政府が公休日義務休業の廃止を推進!
- │韓国の大型スーパーの起源
- │韓国大型スーパーの定休日法案
- │韓国百貨店にも休業日は必要?
- │韓国スーパーの定休日法案のその後
- │流通産業発展法の撤廃
- │韓国スーパーの定休日に対する評価
出典:YTN
最新韓国旅行情報をお届け!Creatripです
韓国旅行のお土産を買うのに最適な大型スーパーや百貨店ですが、日本とは違って毎月の定休日が大体決められています。2024年にはこれが廃止されるという噂もありますが、どうなるのでしょうか?
今回は、そんな韓国の大型スーパーや百貨店に定休日がある理由をご紹介します!
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│韓国の大型スーパーの起源
1990年代の韓国
出典:금천뉴스
韓国では1990年代から「お買い物」の概念が変化しました。以前は伝統市場にて購入していたものをスーパーで購入するようになったのです!
1993年11月に新世界百貨店にてオープンしたemartを皮切りに、総合的な消費が可能な大型スーパーが次々に出現し始めます。当時、貧富の差の減少と急激なインフレを背景に韓国政府は大型スーパーの拡大を推奨し、これにより物価の安定を実現させました
出典:매일경제
しかし、1998年の金融危機により韓国企業は危機に陥り、外国のスーパーが優勢になります。
韓国の大型スーパーは比較的価格交渉が可能な国内農産物に力を入れました。政府も国内市場を守るためにこうした大型スーパーの動向に目をつぶったため、伝統市場は生存の危機に陥ります
│韓国大型スーパーの定休日法案
大型スーパーの休業日を指定
出典:이코노미스트 (ロッテ釜山シャトル)
2001年当時、韓国百貨店や大型スーパーではシャトルバスの運営を開始!後に中小規模の商店を保護するため運行禁止となりますが、バスのメイン運行地は百貨店だったため、あまり効果がありませんでした。
さらに、3,000人以上のシャトルバスのドライバーが失業することになってしまったのです。
出典:nexteconomy
その後も韓国の大型スーパーはどんどん拡大されていったため、周辺の商店や伝統市場は顧客を失いました。
そこで、2012年に流通産業発展法 (유통산업발전법)が改正され、大型スーパーは毎月2日休業日を設けるという法律が制定されます。中小規模の商店はこの改正を喜びましたが、実際に効果があのかについては批判の声も
韓国の大型スーパーに行けば一度に必要なものを全て購入できます。定休日を避けて訪問すればいいだけの話で、消費者には大きな違いはないからです!
現在、韓国を代表する大型スーパーマーケットの emart、LOTTE Mart、HomePlusは、毎月第2・第4日曜日が定休日となっています。これは自治体の要求によるもので、週末は買い物をする人が多いことを考慮し日曜日にしたそうです。
│韓国百貨店にも休業日は必要?
法律で定められていない韓国百貨店の休業日
上記で述べた2012年の法律は大型スーパーマーケットが対象で百貨店は関係ありません。しかし、韓国の3大百貨店であるロッテ、現代、新世界は、毎月1日休業日を設けています。 休業日は日付が固定ではなく、月末に翌月の休業日が発表されます。
百貨店の従業員は定期的な休業日が無く、休暇中に仕事の連絡が入ることもあり、不満に思っている人も少なくありません。
流通産業発展法では地大型スーパーの営業時間や定休日は地方自治体が指定することができますが、百貨店は大規模であるにもかかわらず、法律の対象外となりました。3大百貨店が繁忙期の休業も無くしたため、労働組合は百貨店も流通産業発展法の対象にすべきだと反発したそうです
│韓国スーパーの定休日法案のその後
裁判所に持ち出された法案
出典:국민일보
大型スーパーの定休日法案は中小商店や伝統市場の利益に効果がないと主張する人もいます。ソウル江東区/松坡区のスーパーはこの法律に対して裁判で勝訴!2012年6月22日に定休日の義務が解除されました。
それにもかかわらず、規則に従って毎月2日休業日を設けている店舗がほとんど。ある大型スーパーの本部は流通産業発展法の営業時間や休業日の制限が平等権や職業の自由を侵害しているとして憲法裁判所に提訴しました。
出典:시장경제신문
2013年12月26日、憲法裁判所は「問題があれば措置を講じることができる」という前提があり、法案自体は権利の侵害をしていないとして訴訟を却下。2015年に再度裁判が行われますが、2016年3月23日原告である大型スーパー側が敗訴し、結局毎月2日は必ず休業日を設けなければならなくなったのです
│流通産業発展法の撤廃
大型スーパーの規制を緩和
出典:연합뉴스
2024年1月22日、韓国政府は大型スーパーマーケットに適用されている公休日義務休業を廃止することを決議しました。この法律が廃止されれば、大型スーパーは定休日や営業時間の指定に従う必要はなく、休業日を設けないか、あるいは休業日を本来の日曜日から平日に変更するかを自由に決めることができるようになります。
2024年2月現在、ソウルでは瑞草区と東大門区で休業日を平日に変える取り組みが始まっています。これにより店舗ごと休業日が異なってくる可能性が高いので、訪問する前に必ず該当店舗が営業しているか確認することをおすすめします!
│韓国スーパーの定休日に対する評価
韓国スーパーの定休日の長所と短所
出典:농업경제신문
大型スーパーの定休日に反対する理由は単純です。
スーパーを運営する企業が周囲の中小商店や市場からも人を引き付けて多くの儲けを得たいというのもありますが、韓国人の消費習慣から見ても休業日が無い方がいいと言われています。休業日を気にせずいつでもお買い物ができるからです
一方で定休日に賛成している人のほとんどが労働者や雇用者。店舗自体が休むことで人的資源を削減し、労働者がしっかり休むことができます。しかし、ある大型スーパーが閉店した際、周辺の中小商店街の売上が3割減少したというデータがあり、客足を奪っていたとされていた大型スーパーは、かえってこうした中小商店の支えとなっていたのも確かです。
近年の経済動向を見ると、人々の消費習慣はオンライン注文 > 自宅への配達にシフトしてきているので、時代の変化に適応する韓国のスーパーマーケットはどうなっていくのか将来が気になります
ここまで「韓国の大型スーパーに定休日がある理由」についての記事でした。本ブログ記事の内容に関するご意見・お問い合わせは、コメント欄または問い合わせメール(help@creatrip.com)までお気軽にメッセージをお送りください。