韓国のタトゥー文化
なぜ韓国のテレビ番組ではタトゥーにモザイクがかかるのか?韓国のほとんどの刺青師が不法⁇
こんにちは
韓国人が毎日お伝えする
最新韓国旅行情報Creatripです!
皆さんはタトゥーに対してどんな考えを持っていますか?
アートとして、個人的な力量の表現の一種として、他者との感情的なつながりの印として、または単にきれいで、美しいからタトゥーを入れるなど、様々だと思います
韓国の入れ墨文化はとても豊かで、たくさんの一般人たちも日本に比べるとタトゥーを彫っている印象なのですが、韓国のテレビ番組などでは刺青部分は隠して放送されます。
韓国のちょっと不思議な放送コードはコチラ
今回は「韓国のタトゥーの歴史と文化」について一緒に見ていきましょう!
韓国のタトゥー文化
1. 韓国の刺青の起源
三朝時代(紀元前2世紀末から4世紀まで、朝鮮半島南部に存在した3つの集団とその地域)の書物によれば、刺青についての民間伝承の事実がありますがこの文化遺産は途中で途切れています。
また、三国史記(朝鮮半島に関する最も初期の歴史書)、三国遺事(新羅、高句麗、百済の歴史書で、高僧一然(1206年~1289年)によって書かれた、新羅、高句麗、百済の歴史書)の中にも記録はありません。
三韓の分布図(出典:Wikipedia)
その後、タトゥー(문신/ムンシン)は再び「高麗史」で登場しますが、これは民俗の慣習としてではなく、法治の手段として用いられたものであり、いまだに多くの歴史学者が三韓時代の研究を続けています。
現段階では中原文化の教化によって自然に消えたと言われています。
三国の分布図(出典:Wikipedia)
古朝鮮時代(紀元前2333年~紀元前108年、現在の北朝鮮一帯)では、当時の8つの法度の中の一つで刺青を許容しないものと決定されましたが、南部地域(のちの三韓)では入れ墨の習慣がありました。
しかし、三国時代の初めにこの記録は消えています。
三国建国後、国家制度を整備して服飾規定を設けたり、または北の無刺青の勢力が南の刺青の習慣を持った住民を統制したため、刺青文化を維持することは不可能だったというのが歴史学者の見解です。
2. 入れ墨の進化
日本、中国の発展と同時に「刺青」という言葉が歴史の片隅に再び現れます。
三国時代、刑罰や刺青の記録は無く、高麗時代から主に罪を犯して逮捕された後、島流しの刑から脱走した人の顔に入れ墨を入れ、再び逃亡すれば、刑罰が加重されたという記録があります。
出典:KBS
歴史学者たちは、これは宋王朝の刑罰(黥刑)に基づいていると判断しています。
例えば、「経国大典」では、法律に従って裁判にかけられ死刑判決にならなかった強盗は、再び罪を犯せば刑に処するという意味を込めて体に墨で「強盜」という2文字を入れたそうです。
また、朝鮮時代の「朝鮮王朝実録」では、誰かが牛を盗んで耳を切られたという記録があります。
そして後に男は服を盗んで馬と一緒に逃げましたが捕まり、顔に刺青を入れられたとあります。
そしてこの時代以来、入れ墨はもはや韓国の間の共通の文化ではなくなり、犯罪者の象徴となりました。
加えて「朝鮮王朝実録」には、成宗11年(1479年)、於乙干同(オウルドン)は大胆な性格で、当時の社会規範に反する振る舞いをしたと記録されています。
彼女は多くの男性と関係を築き、関係した男性のからだに自分の名前を彫るように強要したといわれています。
朝鮮時代に犯罪者が拷問を受けることを除いて、男女間の感情的な関係においても刺青が行われたことが分かります。
3. 現在の韓国の入れ墨文化
韓国も初めは多くの国と同じように、入れ墨に対する偏見がありました。
たとえば、道徳に不誠実だとか、性格が荒い人が人を脅しているようなイメージがあったからです。
しかし今日の若者にとって、入れ墨は「記念」のような意味もあり「個性の表れ」でもあり、入れ墨に対する否定的な意見は彼らにとって重要ではありません。
芸能人にも入れ墨を入れている人も多くいますし、小さくイニシャルを入れるなど、一種の記念マークとして刻む人も多くいます。
しかし、SBS、KBS、MBCなどの韓国の主流テレビ局では、アーティストやパフォーマーが身体の一部にタトゥーを入れている場合、カメラに映らないように避けて撮影するか、撮影が始まる前にタトゥーを隠す必要があるとしていまます。
テレビで露出されないように、テーピング、肌色のインナー、化粧、モザイクなどで隠します。
これに関する法律はあまり多くありませんが、ほとんどのテレビ局は未成年視聴者への影響を懸念して、タトゥーに関する放送を除いています。
世代が変わり、一部のテレビ局では、芸能人の体にタトゥーがあった場合、大きなものは隠して他の小さなイニシャルや模様のタトゥーは気にせずオープンにしているところもあります。
しかし、まだまだタトゥーはテレビに映ることが出来ないため、韓国ドラマでも主人公ヒロイン役を演じるような人は、ストーリーに不可欠なものを除いてあまり刺青を入れません。
視聴者に与える印象を良くするためと、ドラマの撮影、編集をスムーズに行い、スタッフに負担をかけないなどの目的があります。
4. 刺青の正当性と合理性
韓国の法律では、入れ墨を「侵襲的な医療行為」として定義しているため、医師免許証を取得している人だけがいれ手術を行うことが出来ます。
出典:코메디닷컴
そのため基本的に現在、全国各地にある刺青師、インスタグラムで予約を受け付けているなどのところは韓国政府の許可が下りていないところがほとんどです。
広告も露骨にするのではなく、ほとんどは「コレクション」として宣伝しており、韓国にはこのような不法刺青師が2万人以上いると推定されています。
韓国の彫入れは安くてスピーディー、多様で美しい刺青の種類があるという長所がありますが、術後のアフターケアや医療の不十分さ、不法問題が注目されています
また、タトゥーがある人に対する大衆の視線が優しいとは限りません。
特に、芸能人がSNSに意図的に新たなタトゥーをSNSに公開すると、ファンたちは「タトゥーカッコイイ」「自分らしさを応援する」という肯定的なコメントがある反面「またタトゥーしたの?」「会社は知ってるの?」などの否定的な書き込みも多く見られます。
刺青はすべての人に受け入れられているわけではありませんが、芸能人とファンの間のコミュニケーションの一形態であったり、またはアーティスト自身の感情的つながりを表現するために、入れる人が多くいます。
5. 芸能人と大衆の入れ墨論争
入れ墨による論争は、テレビ局の放送だけではありません。
例えば、一部のチムジルバンでも広範囲に入れ墨が入っている人の立ち入りを禁止しているなど、生活にも影響を与えます。
出典:SMTOWN
以前、少女時代のユナが公開した写真に大きなタトゥーが入っており、これまでの清純なイメージが壊れたという批判を受けたりもしました。
イベントに必要なタトゥーステッカーであると推定されますが、ネット上の一般的に受け入れがたいという反応から女性へのタトゥーは否定的なイメージが強いことが伺えます
「夫婦の世界」に出演したハン・ソヒも現在は取り除かれていますが、以前は腕に大きなタトゥーがあり、メディアでは彼女の刺青を過去の「汚れ」と表現しています。
そして2020年に、大きく話題になった事件がありました。
数千万人のフォロワーがいるフィリピンの人気SNSユーザーの腕にあるタトゥーが、「日本の2次世界大戦の軍国主義の象徴である旭日旗と類似している」として韓国人からの批判が相次ぎ、本人は謝罪に追い込まれる事態に。
しかし、フィリピン側は韓国の過激すぎる批判に「キャンセル・コリア」のハッシュタグをつけ、反撃する投稿が多く寄せられ、この事件は韓国とフィリピン間の衝突につながりました。
出典:동아일보
今日の韓国社会では、男性芸能人の刺青は比較的受け入れられていますが、女性芸能人の刺青に対しては、まだ閉鎖的な考え方が多いのが特徴です。
また、韓国の軍隊でも大きな刺青をしている人は入隊が制限されるため、兵役を逃れるためにわざと刺青を入れるケースも少なくありません。
そのため、兵務庁は兵役法に違反することを知りながら「故意の刺青」をした場合は検察に送致するなどの対策を進めています。
以上、韓国の刺青文化についてご紹介していきました!
意外と奥深いと感じた方もいるのではないでしょうか?
他にも刺青の歴史や現在の刺青の傾向などありましたら、是非コメントで教えてください
ここまで、韓国の入れ墨文化についての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。