韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』から見る韓国の陪審員制度
韓国の国民陪審制について学ぼう!
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韓国だけでなく海外でも人気のENA韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。
劇中では陪審員制度が登場します
韓国の陪審員制度は長年にわたって行われている裁判制度の一つです。
今回は韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』から韓国の陪審員制度について見ていきます
ウ・ヨンウ弁護士は天才肌のロケ地はコチラ
韓国の陪審員制度
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』での陪審員制度
出典:『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でよく登場する陪審員制度。
検察官と同じ方向に座り、被告人や弁護士と向き合って起訴や審判に参加する国民参加裁判です
陪審員は実際に裁判に参加し、裁判が終わったら評決を下します。
韓国の陪審員制度について
韓国では2008年に国民参加裁判制度を導入しました。
アメリカの陪審制度と異なる点は、陪審員は有罪無罪評決を下しますが法的に拘束力はないことです。
韓国では陪審員の評決を参考に、裁判官が有罪無罪や刑期の決定をします
出典:『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
そのため原則として陪審員の評決を無視できます。
しかしもし無視してしまったら陪審制度の価値がなくなってしまうため、基本的には陪審員の評決に逆らうことはありません
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第10話の障害者への性暴力疑惑事件では、陪審員は有罪3名、無罪4名で陪審員の評決は無罪でした。
しかし裁判官は「陪審員の意見を尊重する」と話しましたが、最終的に懲役2年判決を下しました
さらに第6話では陪審員全員が有罪であると判断し懲役4年を要求しましたが、裁判官は懲役1年9カ月、執行猶予3年を言い渡しました。
出典:『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
これは実際に特例ではなく、陪審員の意見に大きな誤差が生じた場合は裁判官が正しい判決を下します。
統計によると、陪審員として参加した裁判の結果に不満を持ち控訴する割合は、通常の裁判に比べ10%高いそうです。
しかし控訴後判決が変わる割合は通常の控訴裁判に比べ約8%低いことが分かっています
国民陪審員の参加条件
出典:『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
裁判する刑の重さや内容によって陪審員の人数も異なります。
単純な案件は約5人、一般的な案件は約7人、最高量刑や死刑案件は9人で構成されます
陪審員は満20歳以上の人が自ら登録し、抽選で選ばれるシステムです。
事前調査に素直に回答する必要があり、回答を偽装した場合は200万ウォンの罰金が科せられます
陪審員制度は刑事事件にのみ適用されるため、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でも民事事件の裁判には陪審員がいません。
韓国の陪審員判決はアメリカ同様全会一致に基づきます。
もし可決しない場合は判決の前に裁判官の前で再議論するか、多数決で決定されます
そのため陪審員の数は必ず奇数です!
出典:『陪審員たち』
韓国の陪審員は、被告人の希望に従って設置されます。
被告人または代理人が裁判への国民の参加が被告人に有利でないと考える場合は、陪審員の参加を拒否することも可能です!
国民陪審制の長所と短所
宣言に参加した陪審員(出典:한겨레)
世界には完璧な法律はありません。
アメリカでは陪審員の判決を簡単に覆すことができます
韓国でも陪審員の判決は助言程度で、結局裁判官の判断が重要視されます。
2008年に韓国で国民参加裁判制度が登場して以来、実際に多くの議論がありました。
前述のように被告人は陪審員の参加を拒否することができます。
そのため不合理な事件を犯した被告のほとんどは、弁護士の助言で陪審員の参加を拒否します
これは裁判官の決定に世論が影響することを防ぐためです。
他にも裁判外で陪審員を動揺させようとした事件もありました
出典:『陪審員たち』
政治家が政治事件の裁判に影響を与えるために、陪審員に参加することも問題視されています。
韓国の陪審員選抜過程では、事件に関心があるかどうかの事前調査がありますが、政治的立場を知る方法はありません
また裁判が行われる裁判所は陪審員の出身地であることが多く、証人や傍聴人も陪審員の立場に影響を与える可能性があります。
政治事件は陪審員制度において常に議論になっている問題の一つです
軍事裁判にも国民陪審制があるのか?
出典:법률신문
韓国の軍事裁判では、一般裁判に加え陪審制度も導入されています。
人権を守るために国防改革2.0で実施されました
軍人である被告人が陪審員の参加を申請した場合、被告の階級を満たす軍人を無作為に選定します。
例えば、被告人が将校階級である場合、陪審員は少佐から大佐までの階級の陪審員で構成されるのです。
出典:『D.P.-逃走兵追跡官-』
陪審に参加する過程で、将校と兵士は本来の業務を免除され裁判に積極的に参加することができます。
ただし陪審員が事件に何らかの関係がある場合、一般的な裁判同様辞任されます。
公正な判決のため軍事法務官、軍事検察官、警察官などは陪審員になることはできません
今回は韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』から見る韓国の陪審員制度をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
国民参加裁判制度を知ってからウ・ヨンウのドラマを見れば、より深く理解することができるはずです
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