重犯罪処罰を受けない「触法少年」年齢、満14歳→12歳に引き下げ
Netflix「未成年裁判」の人気で再び議論に…次期国会で改正なるか
(このニュースは情報提供が目的であり商業的な意図全くありません)
校内暴力･性犯罪の罪質によっては「触法少年」適用されず
青少年犯罪の「厳罰主義」が拡大するか
Netflixオリジナルドラマ「未成年裁判」で地方裁判所少年部の判事役を担ったキム·ヘス扮。/Netflix
「満で14歳になってなかったら人を殺しても刑務所に入らないらしいけど本当ですか？嬉しい」
さまざまな犯罪を犯す少年たちの話を扱った、Netflixドラマ「未成年裁判」に出てくる台詞だ。満13歳の少年が小学生を家に誘引して残酷に殺害した後、法廷で言った言葉である。ドラマが人気を集めながら、犯罪を犯しても処罰されない「触法少年」（満10歳以上14歳未満の少年）に対する論難が浮上している。
ユン·ソクヨル次期大統領は、触法少年の基準年齢を満14歳から満12歳に引き下げると公言している。また、青少年が校内暴力･性暴力などの重犯罪を犯した場合、触法少年の適用を受けずに大人と同じ刑罰を受けるようにする、青少年犯罪「厳罰主義」も強調した。
イラスト=チョン・ダウン
少年法上、触法少年はいかなる犯罪を犯しても処罰を受けない。「保護処分」を受けるだけで、前科などの記録も残らない。触法少年が殺人や特殊強姦などの強力犯罪を犯しても、警察と検察の介入は不可能であり、少年部裁判所のみが介入することができる。こうして受ける保護処分のうち、最も強力な処分は「2年の少年院送致」だ。そのため、触法少年の年齢を下げ、刑事処罰を下せるようにするべきだという声が高まっている。
無人店舗の盗難、小学生の集団暴行などの犯行を行う触法少年が増えながら、基準年齢を調整してでも処罰を強化すべきだという世論も形成された。2018年2月、仁川で男子生徒2人から性暴行を受けた女子中学生が極端な選択をしたが、男子生徒たちは全員触法少年だった。当時、被害者の家族が「刑事未成年者（14歳未満のため刑法で責任能力がないと見なされる人）の処罰を強化してほしい」と掲載した青瓦台の国民請願には、23万人余りが同意したりもした。
手口が残忍で凶暴化する触法少年事件は、年々増えている。最高裁判所の裁判所統計月報によると、この3年間で触法少年事件の受付件数は、2019年 1万22件、2020年 1万584件、2021年 1万1208件へと増加した。2020年に触法少年が犯した凶悪犯罪件数では、殺人4件、強盗14件、性犯罪373件、放火49件と集計された。
触法少年の上限ラインである満14歳は、1953年の刑法制定後たった一度も変わっていない。20代国会で触法少年の年齢を引き下げる改正案が7件も提出されたが、国会の敷居をまたぐことができずに全て廃棄された。
海外の触法少年年齢を見ると、日本とドイツ、オーストリアは韓国と同様だ。満14歳を触法少年の年齢基準にしている。
一方、韓国より触法少年の年齢基準が低い国家もある。イギリスとオーストラリアは満10歳、カナダは満12歳、フランスは満13歳が触法少年の基準年齢だ。アメリカは州別に満7歳から14歳まで、多様に触法少年の年齢を分けた。
中国の場合、触法少年の年齢が韓国より高い満16歳だが、故意殺人などの重犯罪を犯した満14歳以上16歳未満の青少年は刑事処罰をする。
ユン次期大統領が触法少年の年齢下向を公約に挙げたことで、法曹界では今後青少年が犯罪を犯した場合、強力に処罰できる可能性が開かれるものと見ている。
スン·ジェヒョン韓国刑事法務政策研究院 研究委員は、「触法少年の年齢を下げても依然として保護処分が可能だが、刑事処罰も下すことができる二股の道が開かれるもの」だとし、「保護処分では教化が難しい凶悪犯罪を犯した少年に刑罰が課され、少年刑務所に分離されることで、矯正の実効性も高まるものと見られる」と述べた。
