韓国人の呼び方文化
韓国人は相手を呼ぶ時にどんな呼び方をするのでしょうか?
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人気韓国ドラマ「イカゲーム」で俳優コン・ユがソン・ギフン(イ・ジョンジェ)に、
『先生、私とゲームしませんか?(선생님, 저랑 게임 한 번 하시겠습니까?)』と質問しますが日本の方が聞いたら、何だかおかしくないですか?
主人公456番ソン・ギフンはお金のない失業者なのになぜ「先生」と呼んだのでしょうか
韓国にはこのように直訳するとおかしくなる、様々な呼び方があります。
今回はそんな韓国の呼び方文化についてご紹介
状況別に使われる呼び方
自分より年齢が上で差が大きい場合
:アジュンマ, アジョッシ, オルシン
一般的に韓国の40~50代の中年女性はアジュンマ(아줌마)またはアジュモニ(아주머니)、中年男性をアジョッシ(아저씨)と呼びます。
この呼び方は映画やドラマにもよく登場するので、皆さんも聞いたことがあるでしょう。
しかしこの呼び方は状況によって無礼になってしまうことがあります
例)아줌마, 김치찌개 하나 주세요.
(アジュンマ、キムチチゲ1つください。)
このように食堂で注文する時に50代くらいの女性店員さんをアジュンマとも呼べますが、少し無礼に聞こえる可能性があります
よく使われる呼び方ですが、すべての状況で使える表現ではないのです。
では食堂でどのように呼べばいいかは下記で説明していきます
アジュンマ、アジョッシよりも年齢が上の高齢者を呼ぶ時には主にオルシン(어르신)という呼び方を使います。
ハルモニ(할머니: おばあちゃん)、ハラボジ(할아버지: おじいちゃん)と呼んでも間違ってはいません。
しかしこの表現は一般的には家族や親しい方に使うことが多いです
例)어르신, 잠시 길 좀 여쭙겠습니다.
(オルシン、道を伺ってもいいですか?)
自分よりも年上の人を呼ぶ時
:オンニ、ヌナ、オッパ、ヒョン
年齢が近いが自分よりは上の人を呼ぶ時はオンニ(언니)、ヌナ(누나)、オッパ(오빠)、ヒョン(형)という呼び方を使います。
実際に兄弟姉妹の間でも使用しますが、親しい間でも良く使われている表現です
年上女性を呼ぶ時は女性はオンニ、男性はヌナと呼び、年上男性を呼ぶ時は女性はオッパ、男性はヒョンと呼びます。
この呼び方は年齢の差が離れている人にはあまり使いません
例えば20代前半の女性が30代後半の男性にオッパと呼ぶのは少し抵抗があります。
若者世代や年齢がとても近い人の間で使うことがほとんどです
同年代、自分より年下の人を呼ぶ時
:ヤ、ノ、○○アなど
同級生の友達や自分より年下の人を呼ぶ方法が一番簡単です。
ただその相手の名前を読んだり、ヤ(야)、ノ(너: あなた)と呼びます
さらに名前の後にア(아)、ヤ(야)を付けると名前を呼び捨てする時により柔らかい表現になります!
韓国には年下の人を表す一般名詞トンセン(동생)がありますが、呼ぶ時には使用しません。
友達の呼び方と同じで名前やヤ、ノを使います
例)재은아! / 야, 너 지금 뭐 해?
(ジェウナ!/ヤ、今何してる?)
友達の両親を呼ぶ時
:オモニム、アボニム、アジュンマ、アジョッシなど
もし韓国人の友達の家に招待されて友達の両親に会うことになったら、オモニム(어머님)、アボニム(아버님)を使います。
しかし元々この表現は夫婦間のお互いの両親を丁寧に呼ぶ言葉なので、少し固いイメージを与えてしまいます
そのため前に友達の名前を付けて呼ぶと親しみのあるのでおすすめです!
もし昔から知っている親しい仲であればアジュンマ、アジョッシが適切です。
例)재은이 어머님, 재은이 아저씨/민수 어머님
(ジェウニオモニム、ジェウニアジョッシ/ミンスオモニム)
※ここで名前の最後にパッチムがあるある場合は間に「イ(이)」を付けます。
恋人を呼ぶ時
:チャギヤ、ヨボ、エギヤなど
恋人を呼ぶ方法は本当に様々です。
一般的には名前やオッパ、ヌナ、ノ、ヤなど上記で出てきた表現を使います
愛情を込めて呼ぶ表現はチャギヤ(자기야: ベイビー)、ヨボ(여보: あなた)、エギヤ(애기야: ベイビー)、コンジュ(공주: お姫様)などです。
またはそれぞれのあだ名や名前をかわいく発音して作った呼び名などもよく使います
もしカップルが喧嘩した時は?たぶん愛情がこもった表現を使わず呼び捨てしたり、ノ(お前)と言ったりするでしょうㅋㅋㅋ
名前に姓までつけて呼ぶのなら、雰囲気がより殺伐としているはずです
大学で使う呼び方
:キョスニム、ソンベニムなど
大学で教授を直接呼ぶ時にはキョスニム(교수님: 教授)という表現を必ず使わなければなりません。
もし教授でなくソンセンニム(선생님: 先生)と呼んでしまったら、教授の気分を害してしまうかも?
韓国の大学では自分よりも年上で学年も上の人を呼ぶ時はソンベニム(선배님: 先輩)と呼びます。
初めて出会った時は丁寧なソンベニムを使い、だんだん仲良くなるとオンニ、オッパなどの呼び名を使うようになります!
一般的にソンベニムやソンべと呼ぶ時には尊敬語を使いますが、オンニオッパと呼ぶ関係になるとため口を混ぜて話す傾向があるようです
先輩も同じように、後輩に初めて会った時はフベニム(후배님: 後輩)と呼び、仲良くなると名前で呼ぶようになります。
では同じ年に大学に入学した同級生はどう呼ぶでしょうか?
韓国では同い年でも最初は尊敬語を使って話します
そのため初めて会った時には名前にニム(님: 様)を付けて呼んだり、トンギニム(동기님: 同期)と呼んだりするのが一般的です。
しかし同い年同士でずっと尊敬語を使うのも変に感じるので、すぐに友達同士の親しい呼び名に変わります
例)재은님(ジェウンニム)
職場で使う呼び方
:(職位)ニム、(名前)ニムなど
一般的に職場では社員の名前や姓の後ろに、その人の職位を付けて呼びます。
しかし自分よりも上の職位にいる人にはニムを追加で付ける必要があります!
上司が部下を呼ぶ時は名前+職位、または名前+ニムまたはッシ(씨: さん)で呼ぶことが多いです
例)유 부장님, 자료 정리 모두 완료했습니다! /조재은 인턴, 어제 부탁한 일은 다 끝났나요? 재은 씨, 사무실로 오세요.
(ユ部長さん、資料整理終わりました!/チョ・ジェウンインターン、昨日お願いした仕事は終わりましたか?/ジェウンさん事務所に来てください。)
会社の同期たちは普段会社では名前に職位や、ニムを付けて呼びます。
仲良くなると同い年同士の呼び名と同じ呼び方を使うことが多いです
しかしカジュアルな呼び方を使うときには事前に同意した場合にのみ可能で、仕事場以外で使用します。
会社ではどんなに仲が良くても決まった呼び方をしなければいけないのです
出典:서울경제
最近は多くの会社で上下関係のない雰囲気を維持するために、職位で呼ぶ昔の方法ではなく呼び方を統一するところが増えています。
職員の名前の後ろにニムやッシを付けて呼んだり、英語名で呼んだりもするようです
公共交通機関に乗る時に使う呼び方
:キサニム
バスやタクシーに乗るとき、時々運転手さんに話しかけなければならない場面があるはずです。
そんな時にはキサニム(기사님)と呼ぶことができます
例)기사님, 이 버스가 동대문에 가나요? / 기사님, 경복궁으로 가주세요.
(キサニム、このバスは東大門に行きますか?/キサニム景福宮まで向かってください。)
食堂で使う呼び方
:アジュンマ、イモ、サジャンニムなど
食堂で働く女性従業員を呼ぶ時は、一般的にアジュンマ、アジュモニ、イモを使います。
この呼び方は状況によって親しみのあるイメージになりますが、無礼な言い方になってしまう時もあるので注意が必要です
上記の呼び方は年配の人を呼ぶ言葉で、カジュアルな呼び方でよく使われるからです。
男性従業員はアジョッシとも呼びますが、これもアジュンマなどと同じイメージを持っています
そのためサジャンニム(사장님)を使うことをおすすめします!
男女関係なく使用でき、尊敬の意味も含まれているためどのように使っても問題ありません。
それでもなんて呼べばいいか分からないのなら、ベルを鳴らして従業員が気づいてくれるのを待ちましょう
例)사장님, 여기 소주 두 병 더 갖다주세요!
(サジャンニム、焼酎もう2本ください!)
マルチに使える呼び方
:チョギヨ、アンニョンハセヨ ホクシ..
上記でたくさんの呼び方を説明しましたが、韓国には他にも様々な呼び方があります。
例えば服屋さんで働く若い女性を呼ぶ時、道で見知らぬ人に声をかける時、自分より年下に見える学生に助けを求める時など、多様な状況がありますよね
これらを全て説明することは難しいので、どんな状況でも使える簡単な表現をご紹介します!
チョギヨ(저기요: すみません)は公共の場で誰かを呼ぶ時に一番多く使われる表現です。
食堂で注文する時、手を挙げてチョギヨ!と言うと従業員が来てくれます
オリーブヤングで気に入ったコスメがあった時に、実物の商品を出してもらうためにもチョギヨ!と話しかけることができます!
アンニョンハセヨ ホクシ(안녕하세요 혹시)は正確には呼び方ではありませんが、自然に会話を始められる表現です。
例えば街で人に道を聞く時に、その人に近づいて「アンニョンハセヨ ホクシ.. 徳寿宮はどこにありますか?」と聞くことができます
ホクシは直訳すると「もしかして」という意味ですが、この文脈では意味はほとんどなく、言葉を柔らかくする役割を果たしています。
この表現はいきなり話しかけるよりも丁寧な雰囲気になる言葉なのでぜひ使ってみてください
独特で分かりづらい呼び方
オンニ(언니)
服屋さんでショッピングしていると、お店の人が女性客にオンニと呼んでいることがあります。
明らかに店員さんの方がお客さんより年上の場合もオンニと呼ぶことがあるのはなぜでしょうか?
これはお客さんではなくオンニと呼ぶことで親しみのある表現になるからです。
服屋の店員さんがお客さんに「オンニ、この服よく似合ってる!」と親しみのある言葉遣いで話しかけてくるのは、お客さんの気分を良くさせる営業手段です
また反対に中年のお客さんが若い店員さんにオンニと呼ぶこともあります!
オッパ(오빠)
主に家族内のお兄ちゃんや親しい年上男性をオッパと呼びますが、イケメンのK-POPアイドルを呼ぶ時にもオッパとよく呼んでいます
しかしアイドルたちが自分より年上だからオッパと呼んでいるのでしょうか?
韓国アイドルの中には10代半ばから20代初めの人が多いため、実際にはファンよりも若い場合もあります
韓国アイドルファンの間で有名な言葉があります。
「イケメンなら誰でもオッパだ!」
年齢関係なく、かっこいいアイドルたちを見ると自動的にオッパと呼んでしまうようです
ソンセンニム(선생님)
ソンセンニムは子供たちを教育する教師を呼ぶ時に使う先生という意味の言葉です。
先生は漢字を見ると「先に生まれた人」という意味がありますね!
そのため年上の人を丁寧に呼ぶ時にソンセンニムと呼ぶことがあります
つまり「イカゲーム」でコン・ユがゲームをしようとイ・ジョンジェに話しかける時も、ソンセンニムと言って相手を尊重し礼儀正しく話しかけたことが分かります。
ハクセン(학생)
反対に年配の方が20代やそれ以下の若者を呼ぶ時には、ハクセン(学生)と呼びます。
もちろん実際に学生である確率が高いですが、学生でない人もいるのになぜハクセンと呼ぶのでしょうか?
ハクセンは「学校で勉強している人」という意味以外にも、「若者」という意味でも使われるからです
サジャンニム(사장님)
上記で従業員を呼ぶ時にサジャンニム(社長さん)と呼べると説明しましたが、この表現は食堂やカフェで働く若いアルバイト生にも使えます
もちろん誰が見てもお店を運営する社長さんには見えませんが、従業員を尊重する意味で使える表現です。
私もアルバイトをする時にサジャンニムと呼ばれると少しうれしかったです ㅎㅎㅎ
時々若い従業員を呼ぶ時にアガッシ(아가씨: お嬢さん)と呼ぶこともあります。
昔はアガッシは貴族の家の娘を呼ぶ尊重表現でしたが、現在はむしろ女性をけなす意味でも使われるようになりました
アガッシよりもサジャンニムと呼んだ方が安全で一般的です!
今回は韓国人の呼び方文化についてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
呼び方の中にも韓国の文化が混ざっていて面白いですね
この呼び方さえ知っていればあなたも韓国生活は問題ありません!
ここまで、「韓国人の呼び方文化」についての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。