乙支路の過去と現在

皆さんはソウルの乙支路という名前を聞いたことがありますか？

乙支路はソウルの中区に位置した道路とその周辺の地域のことで、乙支路1街から7街まであります。

その中でも地下鉄乙支路入口、乙支路3街、乙支路4街駅には2、3、５号線が通っているため交通の便が良く、宿泊施設やオフィスも多く存在します。

現代的な雰囲気が強い乙支路ですが、朝鮮時代から存在した歴史のある街です。

朝鮮時代には政府の機関が密集していましたが、近代には産業施設が集まるようになりました。

その後1984年の地下鉄2号線完工に合わせて乙支路一帯が開発され、今の姿となったのです

このように長い月日の中でダイナミックな歳月を送った乙支路は、過去と現在が共存しています。

最近のレトロブームでウルチロ（을지로）はヒップチロ（힙지로/HIPな乙支路）に再誕生し、若者たちに愛される街になりました

今回はそんな素敵な乙支路の歴史と現在についてご紹介します。

弘大（ホンデ）が若者の街になるまでの歴史についてはコチラ

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朝鮮時代の乙支路の様子

出典：통일부 공식 블로그

これが朝鮮時代の乙支路の様子です。

今の乙支路の姿は一つも見当たらず、名前も仇里介（クリゲ）と呼ばれていました。

当時乙支路1街と2街の間には赤い土の丘があったのですが、これが銅色（クリ色）だったためこのような名前が付いたと言います

行政の中心地だったため乙支路にはたくさんの役所が集まり、庶民たちを治療した「恵民署（혜민서）」や朝鮮時代最初の近代的病院である「済衆院」が立ち並び、「薬房通り」として広く知られました。

日本統治時代の乙支路の様子

出典：통일부 공식 블로그

日本統治時代に日本は乙支路一帯を統治し、東洋拓殖株式会社を設立。

仇里介という既存の名前も、日本式の名称である黄金町通に変更されました。

解放以降の乙支路の様子

出典：통일부 공식 블로그

解放後、日本式の名称を無くすために黄金町通から、高句麗時代の乙支文徳将軍の姓を取って「乙支路」に変更されました。

すぐに朝鮮戦争の影響で廃墟となりましたが、ソウルの再建のために多くの建築家が集まりゆっくりと元の生活を取り戻していきます。

その後60年代以降からは韓国の近代化の基盤となり、繊維、鉄鋼産業などが盛んとなり、都心として繁栄しました

現在の乙支路の様子

ダイナミックな変化と成長を遂げ、乙支路は高層ビルでいっぱいの都市となりました。

しかし現代的な雰囲気の中には昔の足跡がたくさん隠れています。

乙支路の小道に入ってみると昔の乙支路に戻ったかのような気持ちになるくらいです

それぞれの通りや食堂などにどんな歴史があるのか見ていきましょう。

現存する歴史館・乙支路

1. 印刷通り

出典：뉴스1코리아

朝鮮時代には乙支路一帯に政府の機関が多かったため、その周辺には韓紙のお店が集まっていたそうです。

まるでオフィス地域に印刷業者が集まっている現代の姿と似ていますが、実際に80年代にはこの歴史を引き継ぎ印刷業者が集まってきました。

この印刷通りの風景は今もそのまま残っており、当時の乙支路の姿を見ることができます

2. ノガリ横丁

出典：뉴스1코리아

乙支路の印刷業従業者たちは低賃金で生計を維持する労働者でした。

彼らは大変な日課を終えた後、老舗でお酒と安いおつまみを食べて1日を終えました。

当時彼らが食べていたのは安いノガリ（明太を干したもの）でした

このような文化によって乙支路にはノガリのおつまみを売る店舗が立ち並ぶようになり、その結果ノガリ横丁が生まれたのです

過去に生産職労働者たちが楽しんでいたこの場所には、今もレトロが好きな若者たちが多く訪問しています。

• 住所：ソウル中区忠武路9キル12
  　　　（서울특별시 중구 충무로9길 12）
• 営業時間：毎日 13:30~23:00

3. コーヒー韓薬房

• 住所：ソウル中区明洞三一大路12キル16-6
  　　　（서울특별시 중구 명동 삼일대로12길 16-6）
• 営業時間：月~土 11:00~22:00 / 日 11:00~20:00

出典：비즈한국

昔の乙支路には恵民署（ヘミンソ）という医療機関があったと説明しましたが、その跡でカフェを運営しているところがあります。

「コーヒー韓薬房」という古風な雰囲気のカフェで、昔の雰囲気たっぷりのインテリアがとても印象的です

4. 世運商店街

• 住所：ソウル鍾路区清渓川路路159
  　　　（서울특별시 종로구 청계천로159）
• 営業時間：月~土 09:00~19:00 / 日曜休業

出典：서울특별시

1968年に建てられた世運商店街は国内最初の総合電子商店街です。

ここでは電子機器の部品や娯楽機械、カラオケ機械、照明など様々な機械があります。

また商店街の地下には秘密が隠れています...

2015年に世運商店街の再生プロジェクトを進行し、2016年に商店街の下に埋葬された文化財発掘調査が行われました。

その過程で朝鮮時代の政府機関の跡が発見され、世運商店街の地下に保存されています。

都心の真ん中で朝鮮時代の建物の跡地を見るという貴重な体験ができるのです

さらにここはヴィンチェンツォのロケ地にもなったので、ぜひ訪れてほしい場所の一つです！

5. 乙支麺屋

• 住所：ソウル中区乙支路洞忠武路14キル2-1
  　　　（서울특별시 중구 을지로동 충무로14길 2-1）
• 営業時間：月~土 11:00~21:00（15:30~17:00 ブレイクタイム） / 日曜休業

乙支路の昔ながらの道を歩いていると、乙支路の名物「乙支麵屋」があります。

80年代に建てられ、37年の歴史を持つ平壌冷麺店です

一般的に知られている冷麺は咸興冷麵ですが、最近はそば粉を材料とした平壌冷麺が大人気となっています

既存の冷麺よりも味が薄そうに見えますが、スープを飲んでみるとその魅力がすぐに分かります。

そば粉の香ばしい味を十分に感じるためにスープと麺をしっかり混ぜて食べてみてください

6. 乙支タバン

• 住所：ソウル中区乙支路洞忠武路72-1
  　　　（서울특별시 중구 을지로동 충무로 72-1）
• 営業時間：月~土 07:00~21:00 / 日曜休業

乙支麵屋の目の前には80年代から営業している乙支タバンがあります。

最近はタバンの代わりにカフェに行くため、オリジナルのタバンはあまり見当たらなくなりました。

しかし乙支タバンでは元祖タバンの雰囲気と味を感じることができます

乙支タバンで一番有名なメニューは双和茶（쌍화차）で、シナモンや甘草などの薬材を使用しており体にも良い韓方薬です！

卵の黄身をのせてくれるのですが、黄身を解かして双和茶と一緒に飲んでみてください

ここはBTSが実際に訪れて撮影をしたこともある場所なので、ARMYはぜひ訪れてみてください

ただ店内が狭いためコンセプト撮影などはできません。

韓国のタバン文化はコチラ

7. 良味屋

• 住所：ソウル中区乙支路3街忠武路62
  　　　（서울특별시 중구 을지로 3가 충무로62）
• 営業時間：毎日 11:00~22:00

乙支タバンから1分程歩くと緑色の建物が現れます。

ここはキム・デジュン前大統領も認めた羊のホルモン（大腸）のお店「良味屋」です

出典：이데일리

脂ののったホルモンの写真を見るだけでよだれが垂れてきそうです

前大統領だけでなく本当に多くの韓国人に愛されているグルメ店なので、一度訪問してみては？

今回は乙支路の過去と現在についてご紹介しました。

いかがだったでしょうか？

ソウルの中心地には歴史が残っている素敵なスポットがたくさんあることが分かりました

ぜひ乙支路の街を歩きながら、韓国の昔ながらの雰囲気を味わってみてください

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ここまで、「乙支路の過去と現在」についての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。