韓国のノー〇〇ゾーン
お子様、ユーチューバー、キリスト教お断り... どうして?
出典:익스트림무비, 한국일보
こんにちは
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皆さんは食堂やカフェに行った時に立ち入りを断られたことがありますか?
韓国にはNO 〇〇 ZONE(ノー〇〇ゾーン)として、特定の集団の立ち入りを断る場所があります。
子供から、ユーチューバーまでその対象は様々です
このノー〇〇ゾーンが出てきてから今までずっと問題が提起されています!
今回は韓国にあるノー〇〇ゾーンについて詳しくご紹介します
ノー〇〇ゾーンとは言葉通り、特定の集団の立ち入りを制限する空間のことを言います。
主に食堂やカフェがノー〇〇ゾーンを指定しているところが多いです。
よくお店の前に該当の集団の入場を制限しているという内容の案内が貼られています
出典:NEWS1
このような制限はもちろん法的には効力はないですが、そのお店の店長さんの立場を否定することになるため、お店を利用することができなくなります。
2014年頃に始まったこのノー〇〇ゾーンは現在もたくさんの問題を抱えています
下記でノー〇〇ゾーンの種類と、賛成反対の意見もご紹介します!
ノー〇〇ゾーンの種類
ノーキッズゾーン
出典:주간현대
ノーキッズゾーンは満13才未満の子供の立ち入りを禁止する空間で、ノー〇〇ゾーンの中で一番初めにでき、一番有名な概念です。
居酒屋や風俗店のような法的に子供が立ち入りできない場所ではなく、一般的な食堂、カフェ、映画館などで子供の立ち入りを断る時にノーキッズゾーンと言えます。
ノーキッズゾーンは2014年にできてから数が徐々に増え、弘大、江南のようなソウルの大きな繁華街だけでなく、済州島や釜山などの観光地でもよく見るようになりました
出典:일요서울
ノーキッズゾーンが初めてできて注目を浴びたのは、2012年に発生した事件が原因でした。
一人の子供の母親が食堂で自分の子供が、ある女性がこぼした暑いスープで火傷したとインターネット上にあげました。
そのため火傷を負わせた女性はインターネット上で非難を受けました
出典:동아 DB
しかし防犯カメラが公開された後、状況が一転しました!
子供が食堂を走り回っていて、その女性に当たりスープがこぼれたのです
子供が公共の場で走り回って人に迷惑をかけている間親はなんの処置もしなかったのにもかかわらず、子供が火傷をしたからと言って女性を攻撃したのです。
この事件の後、公共の場で叫びながら走り回る子供を注意しない親、子供がお店の物を壊したのに責任を負わない親、カフェでおむつを替える親などの問題も注目され、ノーキッズゾーンが生まれたのです。
つまりノーキッズゾーンが生まれた理由は簡単です。
子供の迷惑な行動によってその空間を利用する他のお客さんに被害が及ぶだけでなく、もし事故が起きた時にそのお店が責任を取らなければならない場合がとても多かったからです
そしてこのような理由でノーキッズゾーンに賛成する人たちがいます。
しかしノーキッズゾーンは子供に対する差別や嫌悪を拡散させるとして反対する人もいます。
子供はまだ成熟していない存在であり、それを統制することは良くないと主張します
また誰もが子供だった時があるため、子供たちの成長過程に対し社会的な配慮が必要だと訴えています。
ノーユースゾーン
ノーユースゾーンはキッズよりも少し成長した中高生の立ち入りを断る場所のことです。
釜山のあるカフェに貼られた上記のノーユースゾーン案内文を見てみましょう。
この案内には「最近近所の中高生たちが訪問し、店員に対し(丁寧に了解を求めたにもかかわらず)喫煙、床にツバを吐くなど無礼な行動だけでなく、侮辱的な表現を使ったため立ち入りを禁止します。店内の快適な環境のため訪問されたとしても注文を受けません。」と書いてあります
出典:익스트림무비
青少年の時期に一部の学生たちが団体で行動し、非行を楽しみ、他人に迷惑をかける行動をする場合があります。
このような一部の青少年たちがテーブルを占領し、無礼なふるまいをしたりお店近くの禁煙区域で喫煙したりするなどの被害を受け、お店側は中高生から得られる収入を諦め、立ち入りを禁止したのです
これに賛成する人たちは、このような不良学生の立ち入りを断ることは店長の権利であり、他のお客さんの権利であると主張します。
不良学生たちが先に礼儀を守らなかったため、断られても仕方がないという意見です。
反面、一部の不良学生のせいで他の青少年たちの立ち入りが禁止されるのは差別だと主張する人もいます。
数名の非行でその集団全体を非難するより、大人として彼らを正しい道に導かなければならないという意見です。
ノースタディーゾーン
出典:식품외식경영
ノースタディーゾーンはカフェで勉強させないために、一部のカフェが選択した方法です!
韓国ではカフェでコーヒーやデザートを購入しそこで勉強をする人たちをカフェ勉強族(カフェコンブ族)、略して「カゴン族(카공족)」と呼びます。
カゴン族はオープンな空間で適度の騒音と共に勉強をすることが、自分の勉強法に合っているとしてカフェで勉強することを好みます
さらにほとんどのカフェでは電気コンセントやWi-Fiなど勉強しやすい環境が整っているのでとても便利です。
大学の近くや公務員試験塾の近くの大型カフェにはカゴン族が本当に多く、そこではカゴン族に合わせたインテリアと静かな雰囲気を維持しています
しかし一般的なカフェ、特に個人が運営しているカフェや観光客の多い繁華街のカフェはカゴン族をあまりよく思っていません。
なぜなら一般のお客さんは飲み物やデザートを注文し、食べ終わったら大体は席を立ちますが、カゴン族は長い間カフェのテーブルを占領しているからです
安い飲み物1杯を注文し、2~3時間から最大1日中その場所で勉強するとしたら、カフェの回転率に影響を及ぼします。
そうすると自然に一般のお客さんがカフェを利用できなくなり、売り上げが落ちてしまうのです。
また一部のカゴン族がカフェを利用する一般客に勉強するのに邪魔になるので静かしてほしいと言ったり、カフェの店員に抗議したりするのが迷惑だということでノースタディーゾーンに賛成する意見もあります。
反面、カゴン族は自分たちもお金を支払って空間を利用しているのだから、立ち入りを禁止されるのは変だと主張します
一部のカゴン族が他の客に迷惑をかける場合もあるが、そうでないカゴン族はカフェに迷惑にならないために時間がある程度過ぎたら飲み物を追加で頼んだり、勉強する環境がすでにできているカフェに行くためです。
ノーチューバーゾーン
上の写真の案内文には「食堂内のユーチューバー/BJなど個人ネット放送の撮影を禁止します。食事をしている一般のお客様の迷惑になっています。」と書かれています。
このように自分のコンテンツを撮影するユーチューバーやライブストリーミングをするBJなどの立ち入りを禁止する場所をノーチューバーゾーンと言います!
ユーチューバーやBJがお店で撮影しインターネット上に掲載すれば広告の効果があり、もっとたくさんの人が訪問するはずなのに、なぜ禁止するのでしょうか?
ノーチューバーゾーンを選択したほとんどのお店は、グルメ店やSNSで大人気のお店です。
有名な場所で撮影してアップロードすればたくさんの人が見てくれるため、たくさんのユーチューバーやBJが撮影をしに行きます。
問題は、一部のユーチューバーやBJが撮影していいか確認もせず、一般客やお店の店員に迷惑をかける場合があるのです
撮影のためにうるさくして他のお客さんの食事を邪魔するだけでなく、事前に許可を得ずに勝手にキッチンや他のお客さんも撮影する場合も多いそうです!
なんとユーチューブで広告をするから無料で食事を提供してくれと要求することもあると言います
出典:세계일보
自分たちの視聴回数や収入のためにお店を運営する店長や店員に被害を与えるだけでなく、一般客にまで大きな被害を及ぼすという点で、たくさんの人がノーチューバーゾーンを歓迎しています!
しかし一部のユーチューバーは食べ物の写真はSNSにアップロードしてもいいのに、人々がより関心のある映像コンテンツの撮影を禁止するのはおかしいと主張しています。
また正常なユーチューバーを差別していると批判されています。
ノービリーバーゾーン
出典:뉴시스
ノービリーバーゾーンは2020年コロナの影響により生まれた新しいノー〇〇ゾーンです
2020年にコロナウイルスが韓国に拡散し、2~3月に1次流行、8~9ガ月に2次流行がありました。
この2回の大流行の共通点は宗教集団を中心にコロナウイルスが広がったという点です。
1次は韓国の際エセ宗教である新天地の教会で、2次はプロテスタント教会からでした。
全国民がコロナ防疫規則を守り安全のために努力していたにもかかわらず、該当の教会の教徒たちは防疫規則を守らず大型礼拝や集会を開き、政府の感染経路調査にも協力的に対応しなかったため感染拡大が深刻化しました
出典:뉴스핌, 오마이뉴스
これにより2020年の間、韓国ではエセ宗教やプロテスタント教に対するイメージがかなり悪くなりました。
彼らの利己的な行動のせいで全国的に被害を受けたためです
さらに防疫規則を無視し、継続して協会に通う人たちと同じ空間にいたら感染するかもしれないという不安感も拡散しました。
そのため協会の近くの飲食店は、教会に通う人の立ち入りを禁止したのです。
ノー〇〇ゾーン賛成意見
1. 事業者の自由
ノー〇〇ゾーンに賛成する人たちはそのお店の運営方針は、運営する人の自由だと主張します
上記でご紹介した通り、ノーキッズゾーン、ノーユースゾーン、ノースタディーゾーン、ノービリーバーゾーンはすべて特定の集団による被害が実際に存在し、お店に生まれる物質的、精神的被害を解決するための方法は事業主が決められるという意見です。
また韓国の憲法15条には職業選択を始めとする営業の自由を保障しています!
憲法はすべての法律の基本で、一番優先されなければならないため韓国で営業する自由が保障されてる以上、事業主がノー〇〇ゾーンをして反対できないのです。
2. 顧客の権利
2019年市場調査専門企業EMBRAINトレンドモニターが全国の成人1000人を対象にノーキッズゾーン関連調査をした際に、10人中6人である66.1%がノーキッズゾーンに賛成しました
そしてその内75.3%(重複可能)は「客として不便さや被害を受けない権利がある」と答えました。
ノーキッズゾーンだけでなく、他の例を見ても、事業主だけでなく一般客まで迷惑だと感じることが分かります。
問題を起こす特定集団を効果的に制御できる方法がないのなら、一般客のために特定集団の立ち入りを断るのが正しいという考えです。
3. 消費者の選択拡大
ある人はノー〇〇ゾーンの拡散は消費者に選択の自由の幅を広げてくれる方法だと考えます!
例えば、うるさい雰囲気のカフェを好む人はノースタディーゾーンを選択でき、静かな雰囲気のカフェを好む人はノースタディーゾーンでないカフェを選択できます
または協会によるコロナの大流行事件が起こった時、安全な食堂に行きたい場合、ノービリーバーゾーンの食堂を選べます。
ノー〇〇ゾーン反対意見
1. 特定集団に対する差別
ノー〇〇ゾーンに反対する人たちは、ノー〇〇ゾーンが差別や嫌悪を拡散させると主張します。
2017年韓国の国家人権委員会もノーキッズゾーンに対し、年齢を理由にした不合理的な差別行為だと判断しました
営業の自由は保障されなければならないが、特定集団を排除する時には正当な理由が無ければならないということです。
出典:뉴시스
例えば禁煙区域は他の市民の健康を守るため「喫煙行為」が禁止されている空間です
もし禁煙区域だという理由で喫煙者の入場を禁止したり、一般的な成人男性は喫煙する可能性が高いから成人男性の立ち入りを禁止するなら、それは正当な行為でしょうか?
このように何もしていないのにもかかわらず、特定集団に属しているという理由で排除するのは明確な差別だと主張する人もいます。
2. 特定集団に対する嫌悪拡散
もしノー〇〇ゾーンがもっと広がった場合、特定集団に対するイメージが固まってしまうはずです。
全ての子供が公共の場で叫ぶわけではなく、全ての中高生が礼儀がないわけではなく、全ての宗教人が市民意識が不足しているわけではありません。
専門家はノー〇〇ゾーンのように社会的な葛藤がある度にそれを解決するのではなく、排除し遮断してしまうことは、社会の集団間の葛藤を生むだけだと言います。
出典:대구신문
上記のような理由で最近登場する一部の食堂はノーキッズゾーンではなく、ノーバッドペアレンツゾーン(NO bad parents ZONE)という表現を使用したりもします。
ノーバッドペアレンツゾーンは子供たちに礼儀の配慮をしっかり教育せず、放置する親の立場を拒否するという意味です
この表現は成長過程で子供たちがしてしまう失敗を認め彼らを差別せず、悪いのは子供ではなくそれを制御しない親だという事実を強調してるため、ノーキッズゾーンよりいい表現だと注目されています
今回は韓国のノー〇〇ゾーンの成り立ちから種類、そして問題について詳しくご紹介しました!
いかがだったでしょうか?
ノー〇〇ゾーンはすぐに問題を解決できる方法ですが、社会全体的にはあまりいい影響を与えないのかもしれません
これからノー〇〇ゾーンがよりよい方向に変わっていくことを願っています!
ここまで、韓国のノー〇〇ゾーンについての記事でした。お問い合わせ事項がある場合、本ブログ記事のコメント欄にご記入いただくか、help@creatrip.com までメールもしくは、公式ライン@creatripまでメッセージを送ってください。